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健診や診察をしていて、あるいは、今時はインフルの注射で腕まくりして
ほんの一瞬、その場が緊張することがあります(私は気にしてませんが)
患者さんの体に絵が描いてあるんですね・・・付き添いの看護師は見ないふり
目をそらし、私は心の中で(なんだか安っぽい絵だな、またぞろ農家まわりの
絵師か、イタズラか、C型肝炎になってないと良いけどなあ、ぶつぶつ)
「はい、結構ですよ」意外と、その筋のヒトは少ないし、気が小さそうだったり
しかし、スポーツマンや格闘家はなんであんなにカラダに模様入れるんだろね? |
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「アメリカ人とか医者仲間では、むしろ癌で死にたいという人が多いそうだよ」
「えっなんで?」
「残念ながら同級生でもいるんだけど、心筋梗塞、くも膜下出血、大動脈瘤破裂、
これは下手すると前触れなく発症して急死する」
「確かにな」
「予め死期が分かれば、別れを告げて、お礼したり、謝ったり、身辺整理して、遺言書を書いて、
あえて言えば、何気ない日常が輝いてくる」
「そんなもんか」
「締め切りがなきゃ宿題も原稿もダイエットもなにもせんだろうが」
「耳が痛いな」
この締め切り感が、見る物全てに基調として美を付与しているんじゃないかね |
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「コンニチハ、お元気ですか?」
「おいっ、何するんだ、オレを殺す気か?」
「すいません、Sさん今日は興奮気味で落ち着かないんですよ」
「そうですか」
「なにしろ、朝から『大地震がくるぞ、大変なことになるぞ』って大騒ぎなんです」
「えっ」
「いえ、もちろん何かの混乱なんでしょうけどね」
「どうでしょう、もしかして」
「まさか、先生、ナマズじゃあるまいし」
「いえ、まさにそこですよ」
「はいっ?」
余計な常識、世間体、記憶が消えた分だけ、シックスセンスが研ぎ澄まされてるかも! |
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「おばあちゃん、きのう熱測ったら、39度もあって、連れてきました」
「今は平熱ですね、何か具合悪いんですか?」
「いえ、別になんともなくて」
「なんだろね、電気毛布とか使ってませんか?」
「はい、おばあちゃん寒がりで、いまは絶対に離しませんけど」
「もしかしたらそれが原因かもね」
「はい?」
「寒い寒いって、温度設定高めでず〜っと入れっぱなしなんでしょう」「はい」
「電子レンジに入ってるようなモンで、乾燥するし、過保護にしてるとかえって悪い」
「悪い!?」
「もともと、時間、環境、体調に応じて体温調節できるカラダなのに、強制的に温泉につかってるようなもので、良くないですよ」
「そうなんですかね」
ハイテク日本だから、そのうち高齢者に優しいIT電気毛布が開発される!といいね |
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「普通’親’のありがたさだろ」
「まあ所さんの受け売りなんだけどね(笑)
勿論元の意味は否定しないけど、そうやって過去の恩とか、未来に託すとかじゃなく、
今目の前にある物に感動しなさいよ、っていうオチなわけで」
「わからなくもないが」
「応用すれば、病気になってわかる病気のありがたさ」
「そりゃ無理だろう」
「そのときはその状態にあるわけで、まず受け入れる」
「病気と闘うのが医者の立場だろ」
「戦うなとは言ってない、味わい尽くす」
「苦くてもつらくてもか?」
「まずね」
「ようわからん、あきらめろに聞こえるな」
「話を戻せば、親孝行したいときに親はなし、親の心子知らず、って言うけど
子供はそこにいるだけで、ある意味、もう親孝行してるんじゃないのかな? |
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「きのうねむろうどしたっぎゃ、むねがあいなって」「あいなって?」
「んだす、なんだが、熱っぽくなって、あいだったんだすよ」「あい?」
「だがら、今日はみでもらわねばねえどおもって」
「で、どんなかんじなんだろ」
「あいだすよ、せんせい」
「そういわれてもなあ、苦しいとかしんどいとか」
「ん〜あいだすな」「押し問答してもしょうがないから、心電図でもとりますか」
「そうしてけれす」
「・・・で、異常ないけどどうしたもんかね」
「あいしかだね」
「じゃあ、アイ〜んなくすりだしておぐがら、ようすっこみてね」「あい、そうするす」 |
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「190の110、ずいぶんと血圧高いですね」
「はあ、家では低いんですけど」
「ホントだ、120の70ですか、はかり間違えじゃないですよね」
「ええ、そのまま書いてます」
「ウソ書いたり、下がるまで測ったり、いろんな方がいますからな」
「そんなことないです」
「じゃあ、よっぽど、緊張するんですかね」
「そうなんです」
「でも、もう十年になりますよ、まだ、慣れないんですかね」
「はあ;(さらに緊張)」
オレの存在がいけないんだろうな、「心臓の毛生え薬」でもあればいいのにね
でも「心臓に毛が生えてる」って表現、よーく考えるとふしぎですよね、どんな病気じゃ |
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「日本人のノーベル賞連続受賞、すごくうれしいじゃないか」「そうだね」
「ところで、クオークってなんですの?」
「勿論一言じゃいえないさ、でも物質の諸元がわかったとして、なにかハッピーなんだろうか」
「はいっ?」
「結局、新しいラベルを貼っただけで、わかったようでわかってなくない?」
「宇宙の成り立ちの究明につながると言ってたぞ」
「今は超ひも理論に12次元が折りたたまれただの言ってるけど、本当に分かったことになるかな」
「で、何が言いたいんだ?」
「そうだな、分からないのの何が問題なんだい」
「それをいっちゃあおしまいじゃね?分からなくていいのか」「別に」「えっ?」 |
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「ふーいっぱいいっぱいって感じなんだよ、仕事・心配事・病気に進学、
いっぱいありすぎて、朝起きてもすぐにユーウツで」
「パソコンで言うところのメモリー不足だね、1回リセットした方が良いんじゃないか」
「してるけどなあ」
「君が何ギガ搭載マシンか知らないが、ソフトを立ち上げすぎなんだよきっと」
「ソフト?」
「人間関係処理、会計計算、家族サービス、健康維持、外見改善
いろんなソフトを同時に立ち上げてるモンで、処理速度が落ちてるのさ」
「やってないつもりだけど」
「無意識下で常駐ソフトがメモリを食うのはよくある
不要不急なソフトを削除するしかない、僕に言わせれば全部不要だけどね」
「まさか」「いっぺん試してみたらいい、超伝導見たく何も軌跡を残さない奇蹟をね」 |
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「オリンピックロゴのパクリ疑惑が問題になってるけど、どうなんだろうね?」
「じゃあさ、地元の大文字焼き、これは京都の大文字焼きのパクリだろ」「まあね」
「太鼓を叩いて、神輿を担いで、お囃子を鳴らし、どこからパクリ?何のパクリ?」
「確かに、全てがオリジナルなわけないよな」
「文字、言語、イメージがパクリとしたら、どこに新鮮味があるんだい
『この町はみんなパクリじゃないか』っていう若者にはさ
自分のどこからどこまでオリジナルだって主張できるのかって、聞いてみたい物だ
(原子、分子、蛋白、細胞、遺伝子、染色体、みんなパクリなんですけどね、ふー)
そもそも論だが、パクリは悪い、いけないって、誰が言ったんだっけ? |
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「この町の子供の数は、一年で100人ずつ減っているそうだ」
「そんなにか!」
「うん、今はお年寄りは増えてるけど、そのうち減りはじめるだろう」
「そうだな」
「いっちゃなんだが、そのうち街は老人ホームと墓場でいっぱいになる」
「まさか」
「でしまいには墓参りしてくれるマゴもいなくなる」
「おまえ、どんだけ陰気なんだ」
「第三次(大惨事)世界大戦があれば火星化、なくても、イスカンダル星化だな」
「なんじゃそれ」
「墓場だけの星さ、宇宙戦艦大和の作者、さすが先を見ていた」
「イスカンダルと言えば人類が夢見ていた放射能除去装置って無理なのかなあ」
「あるよ、ていうか元々地球にあるヒマワリと重曹、つまりこれも経験済みか!?」 |
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「せんせい、なんだかあたまがぐあいがわるくて、だいじょうぶでしょうか?」
「そうですね、大丈夫と思いますけど、心配なら脳外科にいって検査したら、って
前もそういって、検査してるじゃないっ!」
「異常ないって言われました」
「でしょ」
「でも、なんだか具合悪いんです」
「じゃあいつもの安定剤の注射しますか」
「はい」
『この場面はもう何回目?』って思うことありますよね。いわゆるデジャブってやつ
どこを変えたら違うバージョンになるのか、’リセットさん’が出てくるわけもなく
ただ、ベストシナリオを追いかけず「常にリセットされる」というこの新鮮感に気づけ! |
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「おかわりないですか?」「・・・」
「この方、最近、妄想癖がでるようになって」
「もうそうですか?」
「はい、おまえらはまぼろしじゃ、とか、だれもおらん、とか」
「あなたのお名前はなんですか?」
「名付けられる物は、それではないのじゃ」
「・・・」
「ほらね!」
「案外と、本当のことをおっしゃってるのかもしれないですね」
「はいっ?」
「こんな格好で、こんな場所に(失礼)いると、わかりづらいですけど」
幼子と○ちがいだけが本当のことを言う、って昔からいいますから!老人=老子? |
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「最近血圧下がりましたね、体重も減ってるし、何かしたんですか?」
「あのう、ちょっと食事を見直しまして、タンパク質をとるようにしたりして」
「ははーん、今はやりの糖質制限ってやつですな」
「先生はどう思います?」
「私も、数冊読んでみまして、それなりに説得力があるので、やってみました」
「あらそうでしたか」
「ええ、無理のない範囲でやってみてくださいね、ただしいわゆる主食、つまりお米、麺、パンなんかが
食べられなくなりますからね」
「そうなんですよね」
「私は途中で挫折しました」
「あら、どうして?」
「そりゃあ
近所の中華料理屋でよく頼むのが「ラーメンチャーハンセット」ですから!オフレコ |
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「一般には60か65才で定年退職だけど、医者には定年がないらしいな」
「そうだね、医師免許を持っていれば、日野原先生よろしく90才でも現役だ」
「おまえはどうするんだ?」
「ルーシーと同じく、よろず相談所でもやるかな」
「ルーシー?」
「ほら、スヌーピーで’精神分析相談一件5セント”って屋台あっただろ」
「ハイハイ確かに」
「それさ『あのう、うつ病みたいなんだけど』『そうですか、まあ気にしないことね、
ハイ5セントいただきます』みたいな、タコのよろずやまい相談所500円ってどうだい?」
「いかないね、ゼッタイ」
「じゃあ50円!」「そういう問題じゃない!」 |
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「君も50才じゃないか、もういい年だぜ」
「同級生のおまえに言われたくないけど、な。実際、トム・クルーズより若いんだ、
そんなに親父ぶってる場合じゃないだろ」
「しかしな、現実問題、飛んでる飛行機にしがみついてるのは無理だぜ」
「あのなあ、そんなこと要求されてない!あのスマイルとポジティブ・シンキングだろう」
「まあね」
「不可能なミッションに挑むのも良いが、出来るミッションを楽しむのも大事じゃないか」
「出来るミッション?」
「そう、歯を磨く、ラジオ体操、車の運転(カーチェースしない)、枝豆を味わう、子供とバカ話をする、
布団の上で眠りに落ちる、モンゲーミッションだ」
「そんな他愛もないこと、放っておいても誰でも出来るだろうが」
「ホントけ?」
「えっ」
そういう’日常茶飯事’を「ミッションだと思って」やっているかね、エージェント・タコ? |
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「大雨で盆踊り大会、中止になってしまいましたね、残念です」
「そうですね、何人か’やらないんですか?’って聞かれました」ご近所の酒屋さんです
「でもねえ、一人だけ’中止するなら張り紙の一枚でも張ればいいのに全く’って言われてネ」
「はは〜ん、例のあの人でしょう?」
「そうなんです(苦笑)」
早朝から町内会、老人会、子ども会有志で相談して、悩ましい天気で難しい
土砂降りで中止しても申し訳ないって、英断した経過を知っている私としては
「ダメ出しする人はなんにでも同じです、子供のラジオ体操にもダメ出しする」
病気になったら言いそう「こんな病気になるなら早めに教えておいてよ、全く」って
これもある意味、その人へのダメ出しなんですけどね(無限ループ) |
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「やばいですせんせい、毎晩8時過ぎまでやってます、終わりません、眠れません」
「大丈夫か?まず、休んだ方が良いな、重症だ」
「はい、しかし、そうもいかなくて」
「いっぱい仕事を抱えてるのは分かるよ、言っちゃなんだが、オレもハンパないよ
でもね、いま、ここで取り組める仕事は、いつも、一つじゃないのかな?」
「はいっ?」
「実際、今ここでやるべきはこの原稿の校正作業だ」
「そうです」
「それを集中してやる、それ以外にできることは、じつは、ない」
「そうですが」
「浮気・よそ見・白昼夢に妄想、余計なエネルギーを拡散しないでこれだけをやる、
すると終わる、次の仕事をやる」
実は、人生はこれが全て、他の場所も時間もないし可能性もないんじゃない? |
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「なんだか、オリンピックのメイン会場でもめてるよね」
「確かに、工期遅れは○シアとかイタ○アなんかの、怠慢な(失礼)国のことかと思ってたけど
『勤勉』なはずの日本で問題になるから、とまどってるとコもあるのかなあ」
「だよね、どうしちゃったんだろう?」
「思いたくないけど、五輪はビッグマネーが動く、おいしい汁を吸いたいという向きがあるのも否めまい」
「確かに、あちこちで国文祭とかあるたびに『経済効果は○○○億円でした』そっちか!みたいな
報告されるからなあ・・」
「おもてなし(表無し)には裏がある、もちろんということで」(韻を踏むシリーズか?) |
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「先生、ヤバイ感じで、かなりまいってます」
「そのようだね、どうしたの?」
「いろいろありまして、しかじか・・」
「それだと、外に原因があるようだけど」
「いえ自分の能力不足もあるんです」
「アドバイスで楽になるとは思わないけど、しかし地獄だね、自分の業(所作価値判断)で
自分を責めて苦しむ、自業苦だ」
「そうなのかもしれません、でも自分じゃどうしようもなくて」
「あるんじゃないかな、業苦を転じて転業苦(天国)に、業苦をひっくり返す業苦楽(極楽)の方法が」
「あのう、韻を踏んで‘楽しんで’ません?」
「そこだよ、まさに!」
「はあ?」
「自」がなきゃ責める人も責められる物もない、業苦が落ちる 落=楽 Lack = Luck |
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「で、風邪薬と一緒に、抗生剤もだしていただけますか?」
「はあ、いいですけど」
「よろしくお願いします」学生にも教えている教科書的には間違った対応ですが
’大人の’’事なかれ的な’対応として、お許しくださいませ
「原因はウイルスですから効きませんけど」
そういうやりとりを百万回経たうえでの神対応!?なのかな・・
「日本人は世界一抗生剤を飲んでいる」
「尿からでた抗生剤が自然を破壊している」
確かに、ですがなにしろ「こーせー、あーせー」という’こーせー罪’なのです |
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「そうか、もう間に合わないんだ」
「そうよ、でもあなたは5年前に大丈夫だって、それに○○さんもこうした方が良いんじゃないかって
そうだねっていってたけど結局そのままになって」
「すごい記憶力だね、感心するよ」
「・・・」
「そんなことも覚えてないの?って非難されたように感じるのは、さすがに卒業したんだ」
「??」
「逆にそんなに沢山の記憶を持ち歩いて、事あるごとに参照していたら大変だね」
「何が言いたいの?」
「オレはとっくにコンセントを抜いちまったんだけど、それはいってなかったっけ?見りゃわかるか・・ |
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「ほら、大ヒットした検察物のドラマで、主人公がいきつけのカフェバーでさ
お洒落なんだけど、例えば梅がゆあるっ?なんてきいても“あるよ”っていう
マスターが粋で、包容力があるっていうか」
「知ってるよ、僕も見てたもの、そのセリフ、有名になったしね」
「そういう病院、あったらいいよね、例えばだよ
『なんだか最近イライラして、落ち着く薬あるかしら?』」
「あるよ」
「いいね、それだよ
じゃあ、僕はこの腹がライザ○プみたく凹む注射あるかな?」「ないよ」「あれっ」 |
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「せんせい、この方いま血圧を測ったら脈が乱れていたので心電図を取りました」
「うん」「心電図では不整は出ていないようなんですけど・・・」
「いま動悸しますか?」
「はい」
「えっ、いつからですか」
「この病院に近づいてきて、玄関入ってからです」
「・・・ということはつまり」
「ええ、ここに来るといつも緊張して、ドキドキするんです」
「そうか、患者さんの体に悪い医院ってどんだけ〜ですよね、すぐに帰りましょう」
確かに、病気を見せつけられるような建物には近づきたくないですよね・・・ふーっ |
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「こないだの血液検査の結果ですが、えーと、貧血なし、栄養良好
肝臓・腎機能異常なし、コレステロール、血糖、正常、ということで
全く心配ありません、いってみれば、成績優秀、オール5ですね!」
「ああよかった、ありがたいです、子どもの頃にそんな成績ないですもの」
「確かに、じゃなくて、すばらしい。健診だと何かしら引っかかりますからね」
そうやって、大人にも成績表渡したら、健診のモチベーション上がるかも!! |
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娘に「あのね、良いニュースと悪いニュースがあるんだけど、どっちから聞く?」
「いいニュース!」
「えーと、それはやっつけられて、かたづけられました!ふー」
「?じゃあ、悪いニュースは?」
「さっき○匹目のゴキ○リくんを発見しました!」
「ギョベッ!うわっこわい、どうしよう!」
「だから、やっつけたから心配ないってば」
「そっかよかった」自分はたいがいの害虫呼ばわりされているかれら、例えば
ゲジゲジくん(=ムカデ)も逃がしてやるため、リピーター?が後を絶ちません
(ちなみに、ちゃんとティッシュで優しくくるんで窓からキャッチ&リリースします)
・・・が、ゴキちゃんだけは、反射的に潰してしまいます、なんかのカルマかしらん? |
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「おっ、看護婦さん、ぜんぜん痛くなかったよ今の注射、さすがだね」
「そうですか、よかった」
「こないだなんか○○病院でさ、何回も刺されて、しまいには”あなたは血管が細いんですよ”
なんてオレのせいにされてさ」
「そんなことないけどね」確かに細い人はいます、ほぼ言い訳ですけどね
大学病院では研修医が採血から点滴まで全部こなし、自分は上手い方?
だと思っていましたが、本当に点滴が入らなくて、30分かかったことも・・・
今は看護婦任せだから腕は鈍ったしなあ、じゃあ何を自慢できるのかなあ・・ |
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「胃カメラしばらくやってないから、そろそろやりましょうか?」
「いえ2年前にやったばかりだからまだいいでしょう!」
「いやいや4年前ですよやったのは、カルテ見ると」
「えっ!まさか」
「いえ、ウソは言いません」
「そうでしたっけ!」
「私も4年前に胃の手術をしましてね」
「あのう、カルテによると8年前ですけど」
てなことやってるうちに、気づきました私も、みなさん記憶時間が短縮してます
「そんなに昔だったかしら・・・」という経験は皆さんおありだと思いますが
まず、記憶時間は半分に短縮します、なので80のヒトは40才分の記憶・・・? |
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「なんだか急に糖尿病の数値、あがりましたよ!」
「あちゃー」
「食事、気をつけているんですよね?」
「もちろんです」
「じゃあ、なぜかなあ、あえてデフォルメして言いますが、夜9時以降の食事はNGです。
あと腹’6’分、まして、腹一杯食べたあとに『デザートどれにしようかしら』ってなしですよ!」
「あらまあ、どうしてそんなにリアルに分かるんですか?」「・・・・」 |
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「わしゃ、田んぼもそれなりの財産も、沢山のマゴ達も、得た財産とおもっとる
がじゃ、死んだらあの世にな〜んにも持ってけないからの、なんだか淋しくなってな」
「確かに、でも、そもそもみんな本当に自分の物だったんだろうか、と思いませんか」
「はあ」
「例えば貯金、通帳には数字が並んでるけど、自分が持ってるんだろうか?」
「無論、オレが稼いだ金じゃ」
「ですが’あなた’はそれで、何か増えたんですか?」
「増える?」
「家に住み車を使っている、でも、それはあなたの物なんだろうか?」
「あたりまえじゃろ、他の誰にも使えはしない」
「そこをよく調べてみてください」
もともと持っていない物は、失うこともできないんじゃないんですかね、そもそも |
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今は支配力を失った医局ですが、先輩が海外留学中に後任を指示され赴任
よくある人事でした、さて、任期を終えて帰国した先輩、えらくやせています
「大丈夫でしたか?」
「うん、オレなりにダイエットしたんだ」
「そうですか」
まもなく、周期性四肢麻痺(マニアックですが)で救急搬送され、検査入院
「甲状腺機能亢進症」と、診断されました。放置すると激ヤセする病気です
自分のことはやはりよくわからないようで、治療して元の体型に戻ったのは残念! |
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医者になって○十数年、さまざまな経験をしてきました、さすがに
新人の頃、前夜、遅くまで仲間と飲み歩いていて、翌日の外来
血圧を測りながら、なんと眠かけしてしまった同僚がいたそうで
患者さんは、よほどお忙しいのだろうと、気を遣ってそのまま
だまって診察室をあとにしたそうで、しばらくは居眠り外来が z z z
えっ、もちろん私じゃないですよっ、失礼な・・・ |
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「また咳と痰が出るんですよ、せんせい」
「ずいぶんと長いですね・・かれこれ、一ヶ月くらい風邪だっていらしてることになりますけど」
「でも、いまみたいな風邪、私はかかったことないんです!」
「えっ、おことばを返すようですが、カルテをみると、ここ数年で30回以上
風邪とおっしゃって、うちにいらしているようですけど・・・」
「そうですか、でもこんなのは、わたし初めてなんです!」
「そうですか
では今回は「Cさんの新三大カゼのNo1」と記載させていただきます、ふー |
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「最近やせましたね、それに貧血になっていますよ、ちゃんと食べてますか?」
「ええ、まあ」
「好き嫌いとかはないですか?」
「ないつもりですけどなあ」
お年寄りが急にやせたり貧血になると、医者としては大腸癌などを心配します
「魚はまるごと食べるとか、お肉やレバー、ひじきとかですね、しっかり食べてね」
「まあ、肉はあまり食べないようにしてるす」
「はあ、何か理由でもあるんですか」
「う〜ん、肉食べてると大腸癌になるって言ってるからさあ」
「そうでしたか、やはり」
「ニワトリが先かタマゴが先か」の命題と同じで、おそらく「両方同時!」なんですな |
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「あさからふわふわめまいがしてて、さっき安定剤飲んだんですけど心配なので来ました」
「いつも安定剤で落ち着くから、変な病気ではないと思いますよ」
「そうでしょうか」
「なぜ具合悪くなるか、お教えしましょうか?考えるからです」
「はっ?」
「今はいいのに昔悪かったことをわざわざ思い出して心配になる、同じように悪くなるんじゃないかって」
「そうなんですよ、きのう眼科でエライ待たされて、具合悪くなって」
「ほら、自分で証明してる」
「はっ?」
「かつて悪かったことを今持ち出して、牛みたいに反芻して気分を害しているでしょ」
「じゃあどおしたら?」「まあ、考えるのやめるのは無理でしょうから、結局、今まで通りで・・・」 |
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「先生、昨日の夜血圧が上がって、心配になって何回も測ったんだすよ
そしたら、どんどんあがって、しまいには190の100になってしまって」
「いまは130の80じゃないですか」
「あら、なんでだすべ、おがしいすな」
「血圧というのは、測るヒトの心の影響を受けてしまうんですよ、心配だと思えばさらにあがってしまう」
「んだすか」
「量子力学と同じでハイゼンベルクが提唱したとおり
電子レベルでは観察する光子の影響を受けて軌道が変化して正確な観測が出来ない
測定するという行為が結果に影響を与えてしまう、いってみれば血圧もそんなもんです」
「・・・あのう、そのなんとかブルグってなんですの?」
「まあいいや、独り言だから」
いってしまえば、物の本当の姿は絶対に知り得ないという、深〜いお話しでした |
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「風邪引いたみたいです」といって嫁と入ってきたおばあちゃん、まあ元気そうです
「きのうなんだかへんだったんだすばって、けさは風呂さ入ればなおるべがって入って
かぜだがもなあって、ばって、めしもくえるしなんともねえす、せんせい、なんだすべ?」
「具合は悪くないのかな?」
「んだすな、ばって、うぢのかが(嫁)ちゃんとみでもらえって」
このパターンは正直、もう百万回?以上経験したので、ちょっと遊びました、私は
「チョットマテ、チョトマッテ、オバァチャン!カジェヒイタミタイッテ ナンデスノ?」
「???」
横にいる看護師だけが声押し殺して腹抱えて笑ってますが、ふー、また百万回やるか |
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「きのうからセキがひどくてだるいんですのよ」と90すぎのおばあちゃん
「熱はないですけど、風邪のようですね、ぶっちゃけ、この時期毎年ですね」
「はあ」
「またお祭りの準備で、無理してるんでしょう?」
「まあねえ、ははは」
アメッコ市というお祭りがあります、このときアメを食べると風邪を引かないと
風邪封じのおまじないがあるようですが、でも、いつもおもいます
「自分がまずアメを食べたらいいでしょう、そしたら、風邪引かないわけだし」
「ははは」
ほんとにその田舎伝説「信じていないんじゃないの〜」と、いいたくなるわけで |
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雪国のヒトにはおわかりと思いますが、冬の朝は少しユーウツ
皆より早起きして外に出ると案の定「アチャー」
早朝に除雪車が来て車庫の前には硬い雪の壁が・・・
こんな時に、発車できないなんて!
せっせと雪かきしますがこれが又重い!
お向かいさんと顔を見合わせて「ヤレヤレ」
ようやく車が通れるようにしたわたしの前を、ギリギリに起きた子どもたちを中学に送る
かみさんの車が出て行きます
「いってらっしゃーい」
執事か下僕かオレは!?ロッキー4ばり地味なトレーニングと思って頑張るか! |
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「きみ少し太ったんじゃないのかい?」
「そうなんだよ、ここんところ運動不足でね」
「ちなみに体重はどれくらいあるの」
「今は76キロってところかな、ゼイ込みでね」
「税込み?」
「消費税ならぬ、ゼイ肉8%を入れて、っていうことだけど、ハッハッハ」
「笑うとこで突っ込み入れて悪いけど、肉といいながらはっきり言って”脂肪の塊”でしかないじゃないか」
「まあね」
「じっとしていてもほとんどカロリーを消費しない
税率下げても決して消費しない、それに君なら40%位あるんじゃないの?」「失礼な」 |
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「今日のお昼ラーメン屋に行ったんだけどやっぱカレーにしとけばよかった」
「なんで?」
「そこで上司に出くわしてさ、緊張してろくろく味も分からなかったモンな」
「ご愁傷様、でも後悔に意味はないよ」
「はあ?、どういうことだ」
「そうだろ、冷静に考えてみて、今日の同時点のカレー屋を君は体験してない」
「まあな」
「今日よりいいだろうと想像してるだけで、もしかしてそこに社長が来てたかもしれない」
「まさか」
「否定できないだろ、そもそも君が一時に体験できるのは一つのパターンだけ
選んでしまったら他はゼッタイに選べない」
「確かにそうかもな」
次善がないから常にベストでもある、だったら後悔自体がナンセンスにならないかな? |
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「ほら見てごらんすごっく大きな虹だ!」
「ワオ、おまけに外にもう一つDouble Rainbow」
「ところで、まさかあそこの大空のさなかに虹があると思っていないだろうな」
「はっ?」
「空中の水滴に光が屈折して起こる光学的現象だから、あそこにはなにも存在しない
すなわち、言ってしまえば、虹はおまえの目の中にある」
「んなばかな!」
「違うか?」
「まあ、理屈じゃそうだけど」
「あの虹のたもとに行ったら大きな虹の幹が見えるのか?」
「見えないね、たぶん、でも、そうやって夢を壊して何が言いたいんだ?」
「ハハハ
虹を見られるって言う奇跡、これはまたハンパないことではあるよね、いずれにせよ」 |
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「こないだの結果ですが、さらに血糖あがってますね、もうインスリンしかないかなあ」
「ダンナの結果はどうでした?」じつは夫婦で糖尿病です
「ダンナさんは優秀ですよ」
「そうですか、毎朝ジョギングしてるんだけど、食事前で低血糖とか大丈夫かな?」
「低血糖を起こす薬も飲んでないから大丈夫です、それより自分の心配してください
そんなに心配なら、なおさらダンナさんと一緒に毎朝ジョギングしたら良いでしょうに」
「あのひとはさあ、はまるタイプだからいまダイエットに夢中なんですよ」
「あのですね
あなたも、そんな惚れたダンナと一緒にダイエットすれば良いんじゃないですか?」
ラブでもジェラシーでも何でも良いです、モティべーションにしてもらえればね!ふーふ |
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「こないだの糖尿の検査ですが、いまいち高いままでした」
「そうですか、あのうこれってどういう意味ですか?」とメモを見せる、
そこには「ナルコプシー」とあり
「なんですか?これ」
「いえ、あのテレビでこないだやってたんですよ」
「はあ」
「急に寝てしまうと言う病気らしくて」
「まあ、正確には’ナルコレプシー’ですけど」
「はあ、で、うちのおじいさん、話していても急に目の前で寝ちゃうんですよ、
もしかこれじゃないかと思って」
「お年寄りだとビミョーですね、普通にあり得るしなー」
そんな珍しい病気で悩むヒマあったら、ご自分の糖尿病、しっかり向き合ってね |
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続編のシリーズを見ている子どもたちに
「あのね、この映画には最初のお話しがあってまず、宇宙に向かってだな・・・」
「少し黙っててくれない」
「はい、すいません、失礼しますた
じゃあナゾナゾね、ヒトとゴリラとサルと、誰のおならが一番くさいでしょうか?」
「えーと、肉食だからヒトだね」
「ざんねーん、正解はサル、サルのわくせー(猿の惑星)ってね」
「ざけんなよ、まじめに考えちゃったじゃねえェか、あっちいってて、シー!」
「ごめんくさい」
やはり未来には猿が支配していてもおかしくないな(すでに猿待遇のオヤジのぼやき) |
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「この薬の能書見てください『前立腺肥大症、緑内障の方は使用を控えて』って
私は両方あるのでどうかなと思って」
「ははん、症状が悪化したんですか?」
「そうじゃないけど」「副作用は1%でもあると全て羅列します、吸入薬だから
頻度は高くないけど、気になるならやめるしかないですね」
「そうしてください」
「ただし息切れは悪化する可能性はあります、効果と副作用を天秤にかけて使ってますのでね」
「この検診結果も見てください」
「中性脂肪と肝障害ですか、お酒飲みますね?」
「ええまあ」
「そのパターンですけど、お酒やめてください」
「えっそれは無理」
「おわかりですね薬の副作用を気にしてやめてと言うのに
健診異常の原因は除きたくないと言う、それはただの わ・が・ま・ま です
ありの〜ままで〜良いんじゃない〜♪ もうなにも気にしないわっ! |
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「私の病名はなんですか?」
「アルコール性肝炎です」
「いつ治りますか」
「いまのまま禁酒していれば、3ヶ月くらいで正常値には戻るでしょうね」
「そうですか」
「でもね、だからってお酒飲んでいいわけじゃないですよ」
「えっだめなんですか?」
「あたりまえでしょう、飲んだらまた元の木阿弥、だから治るの意味がビミョー」
「いまでもお酒薄めて飲んでるんですけど」
「そんなことだろうと思っていましたけど、酒飲みの医者でもそこは譲らない
百円以下ならまた万引きしてもいいよって刑事が言わないのと同じ理屈です |
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「定年になってすることがなくなったら、なんだかやる気が起きなくて」
「定年うつというやつですかね」
「毎日が休みで何やってもいいとなるとねえ」
「夏休みも期間限定だから楽しいので、いつまでも休んで良いと言われると
かえってなんだかやる気がしない」
「そうなんです」
「じゃあまた仕事しますか」
「それも面倒くさいしね」
「ははは、そりゃ、ただのワガママだ」
「ははは」
なんだかんだいってゴタゴタしているいまのままがなんだか楽しいわけで |
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「相変わらず忙しそうだな」
「そうだよ、今がかき入れ時で昨日なんか徹夜だぜ」
「徹夜なんて当直以来しばらくしていないな、でもそんなに稼いでどうするんだ」
「そりゃあ定年まで頑張って、軽井沢かハワイに別荘買ってゆっくり悠々自適さ」
「それでどうする」
「それで?マイ露天風呂やジャクジーでゆったりつろぐのさ」
「オレなんか、週2-3回は昼休みに温泉の露天につかってまったりしてるけど
なんで今やらないんだい?」
「おまえアホか、ヒトには夢や希望が必要なんだよ」
アレキサンダー大王も同じこと言われてました
「世界を征服しなければならぬ」
「それから?」「そしたら休む」
「では、今休んだらいいのでは?」ってね |
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「糖尿の数字が今回又ぐっとあがりましたよ」
「えっ、どうしてでしょう?」
「食事は変わらないでしょうしねえ」
「ええ、ダンナが野菜好きなので毎日
ほとんど野菜ばっかりですのよ」
「じゃあ、どうして(そのカラダ全体が脂肪の塊みたいになるんでしょうねえ)」
「おっしゃりたいことは承知です」
「いえ、私は何も」
「そういうの、今時ドクハラ(ドクターハラスメント)ですわよ」
「(ですから、なにも言ってませんけど)」
「病気で悩んでるのにひどいわ」
セクハラ、パワハラにマタハラ、ところでハラハラ(ハラスメントハラスメント
=ハラスメントだと嫌がらせを言う)ってないのかしらん、まったく |
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「マゴはカワイイのう、ホントに邪気がないからのう」
「そうですねおばあちゃんも赤子の頃はああやってオムツしておんぶしてもらって」
「そうじゃったろうね」
「(いまはまたオムツされてますけどね)よくヒトは四つ足から二足で立ち、
そのうち3足(一本は杖)になり、また四つんばいに戻る、っていいますもんね」
「はっきりいう先生じゃのう」
「無邪気から邪気の固まりになってまた恍惚に戻る、ハイハイしてたのが徘徊するようになって」
「俳句を詠むということじゃろな」
「ははは」
自分は今折り返し地点にいるので、たぶんここがてっぺんなのか?! |
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「子どもの防犯標語で‘いかのおすし’っていうの聞いたことあるだろう」
「うん、いか…知らない人についていかない、の…他人の車にのらない
お…おおごえを出す、す…すぐ逃げる 、し…何かあったらすぐしらせる」
「さすがだなあ、どうせコピペだろうけど」
「おいおい、ネタバレするなよ」
「オレ的には、何か緊急の時にいかのおすしって悠長だなあと思ってさ」
「まあね、イカ刺しか、ヤリイカなのか、ホタルイカもあるしな」
「アホか」
「よほど、知らない大人は人さらいと思え!のほうがわかりやすいな」
いかにも ノルマ的な お役所の すかした しごと と解読したよ |
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「わたし年のせいで一つ持ってくると一つ忘れると言いますか
補聴器持ってきたと思ったら、血圧手帳忘れてしまいました、すいません」
と言われたのは実は小学校の恩師です
「そうですか、私もかつて忘れ物たくさんしましたが、先生の厳しいご指導のおかげで
だいぶしなくなりました。なので、罰として廊下に立っていてください!」
「(ビミョーな微笑)・・・」
「というのは、もちろんジョークですけどね」
「ははは」
(何回廊下に立たされたと思ってるんですか、まったくもー)
「ははは」
こういうのを「哀しいボケ、突っ込み」といいます、トホホ |
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診療終了間際「○○さんから電話で、具合悪いので今からくるそうです」
タクシーで到着、スリッパはくのも忘れて
「すいません先生、なんだか心配で」
「どうしたんですか一体」
「今日午後から○○病院の耳鼻科に行ったんです(5分間の物語、全略、以下要約)
終わるまで2時間かかり、帰りに知り合いと路上で立ち話(炎天下で1時間以上)
いい加減切り上げて自宅に帰ったら足に力が入らず
血圧が高いような気がして(不測)ふらふらして心配になり」
「まあ、いわば熱中症みたいなものでしょう(世間話と炎天下に熱中しすぎ)!」
「ここに来たら安心と思って」
「それはいいけど、水飲んで寝てるのが一番だな」
ママさんの立ち話には感心(寒心)してきました、でも親父の立ち飲みも同じかな |
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609.Yes, I am The Iron Man ! ! |
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「おかげさまで父もようやく退院してきました」
「いろいろ大変でしたね」
「熱の原因が分からず、総合病院に紹介したらそのまま具合が悪くなって入院に、
たまたま処置してもらったので○科に入院しましたが、熱の原因は○科の病気で、
その治療に強い薬を使ったこともあり、持病が悪化してしまい、○科でホルモン注射で
管理してもらいながら、意識消失の原因はわかないままとりあえず元気になったので
”入院継続の必要性はない”と言われまして」
「さすが○○病院です」
「退院の運びとなりました。あとは嘱託医の先生に全てお任せすると言われてきました」
「ははは、それじゃあスーパーマンかアイアンマンになった気分ですな」
そうです、わだすが、変な開業医です、あっヘンなおじさん、だからヘンなおじさんっと |
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「先週の土曜日、胸が苦しくなって、吐き気がしてどうしようかってなっちゃって」
「あら」
「娘も、救急にいきましょうっていったんだけど」
「でしょう」
「私はそういうのもいやだしガマンしていました」
「無理しないで受診すればいいのに」
「だって、救急車呼んだらご近所に恥ずかしじゃないですか」
「恥ずかしい?(こういう人は結構多いです、わかりますけど)」
「でしょう」
「今は大丈夫なんですね」
「そうです」
「まあ、結果オーライですけど、救急車呼んだところで、なにかに汚点がつくわけでもナシ
“あのひとは命がけで世間体を守りましたっ”ていわれてもねえ」
世間様って言いますがよく探しても世間様は実は「どこの誰でもなく何処にもいない」 |
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「胸のレントゲンを撮りましたが、異常はないようですね、でもね」
「でも」
「わかりやすく言うと、汚い感じがします、ちなみにタバコは吸いますか?」
「ええ、まだやめられなくて」
「そうですか、では禁煙を後押しする情報です、2012年に国会で
煙草に放射性物質が含まれていることが指摘されています。
ポロニウムといいスパイの暗殺に使われて有名になった物ですが、
ウランの’100億倍’の放射能の強さを持ちます」
「100億倍!」
「ひどい内部被爆を引き起こします」
「最近わかったんでしょ?」
「いえ1968年に指摘されています。除去できなかった、眠れる巨人として葬られてきた。
予想通りこの話題もニュースになることもなく(握りつぶされて)闇に葬られましたけどね」
「...」
被爆を人ごととしながら知らないうちに寿命を縮めている、愚かしい現実です |
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「あるとき患者さんにこういわれてね『私がお宅に通っているのはね、理由があるんです
何しろ掃除がきちんとしてるから、そこがいいんですのよ』だって・・・ありがたいけどね」
「新しいとか、最新設備とか、名医とか、いえないもんな」
「おいおいそれはないだろう、オレなりによかれと思っていろんなことをやってきたつもりだけどなあ」
「自己満足だね」
「そういう風に否定的に言うけど、人が喜ぶのを見て満足するのも結局自分なんだから
すべては自己満足じゃないのか?」
「どうかなあ、価値観が独善的とかひとりよがりとか」
「じつは僕について言えばこの問題はもうすでに解決済みなんだ
だって僕の満足はすなわちタコ(他己)満足なんだからねっ!」
「それこそ自己満足だろが」 |
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「いまさらだけど、ひどく凄惨な事件が後を絶たないね」
「悲しいかな、そうだね」
「子どもを刃物で襲うとか、限度なく年寄りをいたぶるとか、我が子を放置して・・」
「ある年代層に集中しているという指摘があるそうだよ」
「ある年代?」
「うん、いわゆる、ゆとり教育とか、道徳教育なんてファッショだから要らないとか」
「僕らの世代は、普通に学校で道徳の時間っていうのがあったもんね」
「そこさ、外国人が日本に来て驚いてリピーターになる理由の一つが治安とマナーの良さだと」
「日本で路上で怒鳴りあう運転手はいない、災害後でも列を守って譲り合う礼儀正しさ」
「それだよ、地球上で生き残るために求められているもの、それは道徳かもしれない」
輸出立国だった日本が世界に分かち合えるもの、それは真心、良心、道徳ですきっと |
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この時期気温の乱高下がすごいです、早朝は肌寒いのでヒーターを入れて
「5月だって言うのに寒いわよねえ」と患者さん、そのうちうかうかしていると
待合室が暑くなってて「おいおい26度にもなってるよ、切ってよね」
看護師はカーディガンを羽織って、腕まくりをしています(!?)
三日もしないうちに、お昼に25度を超えて真夏日になりました
看護婦も夏用の半袖の白衣に・・・
温度は同じなんだけどなあ
「季節の変わり目」とは気持ちの切り替えが実際に追いついていないということね |
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「年のせいだが、最近よぐ眠れねぐなってすな」
「何時に床にはいるのかな?」
「8時だすな、だばってしばらぐねむれねえもん」
「(そりゃそうでしょう)で、何時に起きるの?」
「5時半だす、だばってそのまえから目さましてるんだすもの」
「(そりゃそうだ)」
「したら、ともだちが『私だば病院で良い薬もらってるがら朝までぐっすり寝でるって、
あんたももらえばいいんでねえがって』いうがら」
(会社つとめしてるわけでもないし、昼寝して文句言われるわけでもないでしょう)
「そうですか、ケチだっていわれるのもなんだから、よーく眠れる薬をだしましょう」
高校で「おまえ、これ吸ったらスカッとするし、かっけえぜ」って煙草すすめる友のようで |
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「薬を変えてみましたが残念ながら血糖値はむしろ上がっていますね」
「あちゃ」
「薬は最大限になっているので、これ以上はもうインスリンの注射しないとね」
「こないだ転んで肩を痛めてから、ほとんど出歩かないし運動も出来ないので」
「まあ、サンポじゃなく、下半身だけのスクワットとかも出来ますけどね」
「まあね、ごめんなさい、すいません」
「僕に謝ってもしょうがない、自分の体に謝らないと」
「はあ?」
「カラダはサンポしたくてうずうずしている犬みたいなものです
運動したがっているのに、頭でっかちのマインドが、面倒くさい、しんどいって」
そういう意味では、糖尿病は「筋肉病」であり「マインド(自我)病」でもある |
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「おまえそれじゃ話が違うじゃないか、いい加減にしろよ」
「おいおい」
「おまえがそんなやつだとは思わなかったよ、がっかりだ」
「まあまあ、何か誤解があるようだな」
「誤解なんかないよ」
「五回ぐらいあるさ」「?」
「君は君が僕だと思っている僕のイメージを持ちそれと話をしている、
僕は僕がイメージする君に対して、君が僕だと思ってるイメージを想像しながら
それが予想する反応を念頭に置いて返答する。君が僕にもつイメージ、
僕が君に持つイメージ少なくともここには4人がいる」
「なんだそれ」
みんな勘違いとすれ違いと思い違いのうえに浮かんでいるまぼろしなのさ |
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「どうしよう、仕事が納期に間に合わないかもしれないんだ、それに
こないだのドックで要精査になっててさ、大丈夫かな、癌じゃないかな」
「なんだか大変そうだな、そうだ 悩まない秘訣を教えてあげようか?」
「なになに、教えてくれよ」
「悩まない秘訣はな、、、’悩まない’ことさ」
「はっ?」
「悩むのをやめればいいのさ」
「あのな、バカにしてるのか?」
「してないよ」
「だってそうだろ、どうしようもないから悩んでるのによ(怒;)」
「う○ちをつかんでる人が、どうやってこれを手放せばいいですか?って相談してきたらどうする?」
「まずいいからそれを放せよ、だろ」
「それさ
おれにはみんな同じことに思えるんだけど、違うかい? |
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老人ホームの回診です、いろんな方がいます、されるがママの方が多いですが
なかには抵抗する人も
「なにするんだ」
「お医者さんが来たんですよ」
「なんだオレを殺す気か」
「違いますよ」
「ごめんなさいね」
あるいは「あらはずかしいわ」
「手をどけてちょうだい」
「すいませんせんせい、こんなに胸をだしちゃって」
「聴診してるんだからしゃべらないの」
「ごめんなさいね、終わりましたよ・・・」
いきなり知らない男が来て胸をはだけられたら、暴力行為ですよねたしかに
ある意味正常な反応なんだと思います、家でくらしてると思ってるんならばね |
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「今でしょ、がはやったけどさ、結局何が言いたいんだかよくわかんないんだ」
「今に集中してってことだろう」
「この瞬間しかないっていつもやってたら疲れたよ」
「あはは、そうだね。この一瞬一瞬っていうことではないんだろうね」
「そうなの」
「刻んだら千分の一秒、億分の一秒と、瞬間にはきりがないわけで」
「確かに」
「僕らはつい、今やってることを目的への手段にしてないかってことだとも思うんだ」
「手段?」
「高三は大学受験へのプロセス、大学三年は就活、部活も大会の準備」
「そうだな」
「じつは、今がゴールなのにさ」
「今がゴールなわけないだろう」
「ほらね、昨日まで思っていた”希望に満ちた明日”は今日、今だろ、いまがゴールでしょ」
僕的にはいまの自分が目的地だったことに気がつく、それが 「今でしょ」 だね |
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「待合室にぬいぐるみ、壁にはCDのシール、そしてここにもしゃべるマスコット
よっぽど君はふなっしーがお気に入りと見えるね」
「そうだなっしーな」
「おいおい」
「まあ最近はちょっと出過ぎな感もあるけどね」
「どこがそんなにいいんだい」
「2000年に一度のナシの妖精っていうところ、じゃなくて、まあヘップバーンだな」
「またそっちか」
「ただの無垢じゃなく酸いも甘いも経験したうえでのピュア、というか」
「それが梨の甘酸っぱさというワケか」
「わかるか」
「おっと、あやうくはまるとこだった」
ドクトルタコには遠い親戚に思えて仕方ないのであります |
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「3月だっていうのにまた冬に逆戻りだなあ」
「Beautiful Sunday Morning だね」
「なんだそれ」
「なんでみんなヘップバーンに惹かれるんだろう」
「振りがすごいな」
「最初はスクープねらいだった記者も、姫の無辜、無垢に洗われてとりこになる
そういう話だろう」
「まあね」
「その真摯な誠実がまわりに奇蹟の輪を広げていく」
「それで?」
「自分のオリジナルバージョンをみせられるから感動するんじゃないか」
「まず、いいから次年度の人事をまとめてくれないかなあ」
「きみなあ、だれでも
いますぐに、会長よりもステキな王子、姫になれるっていうのにさ・・・ |
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「副作用が問題になって中止している○○○癌ワクチンだけど」
「うん」
「再開する動きっていうじゃないか」
「そうなんだ、痛みへの恐怖が原因だと」
「添加されてるアジュバントの希少金属が原因だって報告もあるようだけど」
「’科学的根拠に乏しい’そうだ」
「大丈夫かなあ」
「インフルエンザワクチンも似てるんだけど、もともと癌の発生を直接予防するというデータがないのに
副作用に関しては根拠に乏しい、と厳しく否定するだけの しっかりとした根拠は示してないように思うよ
こういった医療の現場での原則はもちろん
「推定無罪(何人も有罪と宣告されるまでは無罪と推定)」ならぬ
「推定有罪(何人も無罪と宣告されるまでは有罪と推定)」だろう! |
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「どうも肝臓の数値が高いんですが、脂肪肝かもしれませんが、ここの他に
何か薬かサプリみたいなの、飲んでませんか?」
「そうですね、じつは何年かプロ○リスを飲んでますけど」
「その副作用か確認するために、しばらくの間やめてみてください」
「えっ、私はこれのおかげで元気が出ると思ってるんです、大丈夫でしょうか」
「あなたがそう思っているなら、その通りになるでしょうね」
「えっ」
「飲まないと元気じゃないと思っている。すると、調子が悪いときには
やっぱり飲んでないからだ、とその思いを補強する。だから心配は的中する」
「そんな」
「あなたの思い通りの世界が展開するわけですよ」
「どうしましょう」
簡単です、マジックの種明かしみたいなモンで、もうだまされませんから(たぶん) |
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「最近まわりで別居中とか離婚したとかいうところが耳に入るんだよな」
「結構いるよね」
「おまえんところは大丈夫なのか?」
「それがアブナイんだよ、じゃなくて なんとかね」
「うまくいってる先輩に聞いたことがあるんだけどさ、夫婦が旨くやる秘訣っていうのを
相方を自分の奥さんとかじゃなくて、赤の他人と思うんだって」
「えっ赤の他人?」
「うん、知らない人が一年365日食事を作り、掃除をして、自分の下着を洗濯してくれるとしたらどう思う?」
「ありえないけど、申し訳ないし、感謝だろうな」
「そこだよ、その視点を忘れないそうだ」
「いいんだかわるいんだかよくわからんな」
「だってそれだけの仕事をして
給料は要らない、お小遣いをもらえればというんだからね」
「おまえはどうなんだ」「・・・」 |
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「おっと、おっことしちゃった、けど、3秒ルールで、だいじょうぶ、パクッ!」
「汚いだろう落としたのを食べるなんて」
「えっ、大丈夫だよ」
「だって、土やそのへんのバイ菌がついてるんだぜ」
「きみ、浄穢不二って知ってるか?」
「なんだそれ?」
「例えば分子や原子のレベルで考えたら物質にキレイ汚いってあるか」
「はっ?」
「ご馳走も、残りを捨てたとたんゴミになる、吐いたら吐物になる、腸を経過したら
汚物になる、どこで入れ替わるんだ?結局、ニンゲン様の思いこみじゃないか」
「でもなあ」
「すべては、コインの表裏さ。してみれば、病気も健康も、結局は違わないことになる」
「というと」「ガン細胞も正常細胞も」「おまえいい加減医者やめないか?」 |
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「はやいなー、もう一年たっちゃったよ。年とともに時間が短くなるってホントだね」
「でも、どうしてだと思う?」
「そりゃ、忙しくなっていろいろ仕事やらやることが増えてこなしてると一日が終わっちゃうとか」
「まあ、それもあるかもしれないけどね『当たり前』が増えるせいじゃないかな?」
「あたりまえ?」
「うん、小さい頃は砂場で一日遊んでも飽きない、けど、いまなら、砂場か、バラだね、雲か、うんぬん」
「まあ、日常些細なことに対する感動がないと言うことか、でも、仕方ないだろう」
「目に前には同じものがあるのに有り難みがへるのは、余計な知識と習慣のせい
僕は毎日‘いま生まれた’って思うけど」
「おやまあ、ずいぶん老けた赤ん坊だこと」 |
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「私はある時検査でリウマチ反応が陽性だって言われて、心配になって
隣町のリウマチ専門病院に行きまして全部検査してもらったんです」
「はあ」
「そしたら異常ないから大丈夫だと言われまして」
「よかったですね」
「いえリウマチになったら心配なので、リウマチ友の会にも入ろうかと思いまして」
「ハア!?リウマチじゃないんでしょう、症状もないんでしょう」
「ええ、そうです、でも、リウマチになったら大変だから」
「あのう、リウマチ反応は正常女性でもたまに陽性にでます。それに振り回されても仕方ない。
ちなみに今血圧は190の95ありますが、こっちは怖くないんでしょうか?」
「あら・・・」
あなたはリウマチじゃないけど「リウマチ怖い病」ですね、残念ながら |
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「前回もそうでしたが、クスリ10日分くらい切れてませんか?」
「ええ、まあ」
「飲み忘れが多いようですね」
「でも、忙しくてついね」
「お忙しい?ですか
ちなみに今話題の朝の連続TVはご覧になってましたか?」
「はい、もちろん、すごくハマッてしまって毎朝欠かさず見ていました・・・あっ」
「おわかりですよね、15分のテレビは見られるけど、1分もあれば飲める薬は飲む時間がないと」
「ハハハ」
「忙しいというのは、時間がないんじゃなくて、心に余裕がないんです」
「忙しい」を言い訳にする人にありがちなパターンなんですけどね |
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「お変わりありませんでしたか?」
「ええ、ただ、一ヶ月ばかし入院して手術しました」
「え”っ!!」
「○○病院の整形外科に入院して腰のヘルニアの手術をしたんです」
「それは大いに大変なことじゃないですか!?」
「でも、血圧には関係ないですから」
「関係大ありですよ。手術のリスクは高まるし、鎮痛剤で血圧が上がることもある
胃潰瘍が悪化する人もいる、入院食(だけなら)で減量して血圧が下がることもある」
「そうですか」
「一般の方にはやはりこの辺のことはご理解いただけないんでしょうね」
地球の裏側のチョウの羽ばたきが台風を引き起こす(かも)という説すらあるというのに |
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「糖尿病の数値は少し上がってますね、これ以上あがると薬飲まないとね」
「気になるのはね、ここんところ体重が3キロばかし増えてるんですよ」
「はあ自分の口にものを運んでるのは自分だけですからね」
「食べ過ぎなのはわかってる、それに、運動不足なのもわかってる」
「それで食事や運動は気をつけましたか?」
「いや」
「それは、わかってるとはいえないんだなあ」
「変えなくちゃいけないのはわかってるんだ。頭だけでわかった気になってるというのもわかってる」
「でも、行動に表れなければわかったとはいえないでしょう」
「それもよくわかってる」
私に言わせれば、あなたは、なんにもわかっていません!(わかんないでしょうけど) |
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「急に足が動かなくなってしまうんです」と90才のおじいさん(ちなみに初診です)
「今は歩いてるから大丈夫なんですよね」
「んだ、でも急に力が入らなぐなるんだ」
「ここでも調べますけど、一度脳外科で頭の検査をしてみたらどうですか?念のため」
「いいや、これは内科の病気だど思う」
「そうですか」
「私はここの病院しか来ない、他の病院には行かない、ここ一筋なんだ」
「そういっていただけるのは嬉しいんですが、餅は餅屋、それぞれの役割と、
限界というものもありますからね」
「他さだば行がね」
ぷらっと他へ移ってしまう患者さんも結構多い中(汗;)、ありがたいことではありますが |
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「おなかに変なしこりがあるんです」
「どれどれ、はっきりしたものはないようですけど」
「これですよ、これ」
「う〜ん、せいぜい皮下脂肪にしか思えませんけど」
「癌の転移とか」
→総合病院まで行って精査して「セルライト」と言われて帰ってきましたが(汗;)
「今度はどうされましたか」
「微熱が続いてるんです、36.7℃とか」
「平熱ですけど」
「いえ、私は普段35℃台なので、熱があるんです」
「症状があるんですか」
「いえでも、微熱が続いていて、調べたら白血病だったというのを聞いて、心配で心配で」
「そうでしたか、それだったら検査で一発です。(後日)大丈夫、白血病ではありません!」
「よかったわー、あ”ー助かったわー、もう、どうしましょう(ワナワナ)」
(ヤレヤレ)
TVドラマの見過ぎじゃないでしょうか。平穏無事のありがたさに感謝してほしいものです |
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「ボケるのだけはイヤだね、迷惑かけるし、恥ずかしいし、情けないよね」
「でも、よく考えるとですよ、ボケちゃったら、恥ずかしいとか感じる個性は
ある意味壊れていなくなってるかもしれない」
「そうかなあ」
「であれば意識や常識はしっかりしていながら、脳梗塞で体がきかないのも、かなり
しんどいんじゃないですか」
「そりゃあそうだ。じゃあ、ボケた者勝ちってわけ?」
「おだやかに老いを受け入れていくためのうまい仕組みなのかもしれません」
でも個性がなくなるものだとしたら、それはいったいいつ作られたんでしょうね? |
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「今回検査結果は少し悪化していますね、薬はきちんと飲んでいましたか?」
「いえね、お盆でマゴ達が来て忙しかったから、きちんと飲めなくて・・・」
「忙しいと言っても薬飲むヒマないとは思えませんけど」
「バタバタして大変なんです」
「まあ、わかりますけどね。ただ、マゴさんと元気に暮らすためにも、しっかりしないと」
「そうですね、気をつけます」
嬉しい悲鳴なんでしょうが、息子達も、子どもをジージ、バーバに丸投げしないようにね |
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「先生に、あなたは癌だって言われたって、おばあちゃんから電話があって」
「えっ!」
「でもお薬いつも通りもらってきたって言うから、なんだか変だなと思って、確かめに」
「そうですか、そうとられたんですね。癌だなんて言ってません、誤解です」
「まあ、よかった」
「胃にポリープがあって毎年検査していて中には癌化する人もいるから
胃カメラで取ることもできますよ、と選択肢を教えたんです」
「じゃあ大丈夫なんですね」
「現時点で悪性の所見はありません。ただ、全く否定はできないのでお話しするんです」
「でも、心配ないんですね」
「いまので、伝言の危うさがわかりましたから、おばあちゃんと一緒にお話を聞きに来てください。
今伝えたとおりに伝わるとは、残念ながら思えません」
医者が「説明を尽くす」とややもすると「なんだか難しくてよくわからん」になりがち
ずばっと断言した方が良いんでしょうけどね |
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食堂で見かけた一コマ、
定食を食べている男性がみそ汁半分飲んだところで厨房に注文しています
「おれさあ血圧高いから濃いのダメなんだよね、これに
お湯足して薄めてくんねえカナ?」
「はい、わかりました」
薄めても全部飲んだら食塩量は同じでしょ!気分だけの問題ですね・・・
「食欲ないというので缶の栄養剤試してもらいましたけど、どうでしたか?」
「ええ、すごくおいしかったです、飲めました」
「それはよかった、じゃあ続けましょう」
「あのう、あれは大丈夫でしょうか?」
「というと」
「コレステロールとか高いかなと」
「あのですねえ、食べられないくて、体重減ったって心配してる人が、コレステロール
気にしてる場合ですか?そんなだから食べられなくなるんですよ、きっと!」 |
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「ほら、腰は曲がっていでえし、まなぐも見えねぐなるし、耳は聞こえねえ
年いげばなんも良いごどねえでば、ホント困ったモンだ!あいしかだね」
「そりゃあ大変だなあ、まあ、元気そうで何よりですよ、なにせもう90だ」
「それでもほら、腰は曲がっていでえしよ、」
「まあいつもの注射しましょう」
すると看護婦の前でまた
「よっこらせっと、ほら腰は曲がっていでえし、・・・」
現状を嘆くのにエネルギーを使い果たしてしまって回復に回せない
ーーーそれが「年寄り」でしょうか |
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「いまどきはみんな道路でも歩きながらスマホいじってるよな」
「それどころか自転車のりながら、はては車を運転しながらケータイ見てる人もいるよ」
「ホントなに考えてるんだか危なくてしょうがない」
「‘今’にいたくないんだろう」
「なにっ?」
「メールもゲームも今こことはちがうどこかの世界だろう。ニュースすら
読んでる時点ですでに過去のことばかりだ。今目の前のことより大事だというわけさ」
「そういわれればそうだな、じゃあなんで逃げたくなるんだ」
「自分も同じだよテレビやパソコン見てるときの自分をよく観察してみることだね。
記憶、考え、言葉、みんな過去を引きずっているものばかりで武装している」
「おい、オチがないぞ」
「今にはオチがつかない、だから落ち着かない」「・・・」 |
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「テレビを見ていて立ち上がろうとしたら立ちくらみがして」
「ええ」
「前のことがあるから心配になって来てみました」
「前のことというと?」
「・ ・ ・ 」
「まあいいですけど、血圧は大丈夫なようですね。今はどうです」
「何ともないんですけど、前みたいになったらいやだなと思って」
「で、前のこととは」
「・ ・ ・ 」
あなたには、黙秘権があります、たぶん...僕にはないですけどね、トホホ |
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「もう2ヶ月くらいカゼ気味で」
「2ヶ月!?」
「ええ、休めないので市販薬飲んでいてこないだ熱が上がったので救急で薬をもらって、
きれたのでまた救急に行って」
「なんか言われたんでしょうね」
「ええ、まあ」
「忙しくて厳しい職場なんですな」
「汚いタンが消えないのでそれを何とかしたくて今朝来ました」
「そうですか、ちなみに家に動物は?」
「今はいないです」
「まさかタバコ吸わないでしょうね」
「・・・吸います」
「そうですか、仕事に関してはなにも言いませんが、子持ちの女性だからあえて一言、
しみ、くすみ、シワで老け顔になるしカゼもこじれる、子どもたちにもエライ迷惑だ、
百害あって一利もないです」
忙しくてタバコを吸うヒマもないと良いんでしょうけどね、トホホ |
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「この方このあいだお花見中に尻餅をついておしりを痛めてしまって」
「どういう具合になったんです?」
「車いすから立とうとして、その、あのうまく手をつかめなかったというか・・・」
「つかまないで立つわけないでしょう」
「というか、あの」
「正直、そこに全く手落ちがなかったとはいえないじゃないんですか」
「はい」
「べつに犯人捜しをしようとか責めようと言うんじゃないですよ。
むしろ言い訳しようとか責任逃れをしようとする姿勢は敏感に感じられるもので
家族なんかはむしろそこに『この人(施設)は信用できないわ』と思うものでしょう」
守ろうとしてかえってそれで失うものの方が大きいと思いますよ |
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「ずいぶんはまってるね、なんだか昔っぽいけどそんなにおもしろいのか?」
「うん」
「どういうゲームなの?」
「自分の好きなように町や家を造れるのさ、ほら、こうやって穴を掘ったり、家を建てたりできるんだ」
「ふーん、それだけ?敵とか仲間とかいないのか」
「そういう設定もできるけど、なしにもできるよ」
「じゃあ神様になったような気分を味わえるって言うわけだ」
「どうかな」
「何々すべき、とか、しちゃいけない、もない、目的もなくただそれを楽しむ」
忘れちゃってたその原点を思い出させてくれるから、ヒットするんだろうね |
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耳鳴りめまいがして気が落ち着かないという方、息子さんが連れて来ました
「こないだずっと世話してきた夫に先立たれまして、それからなんです」
「そういうご事情でしたらある意味しかたない時期じゃないんでしょうか」
脳外科も検査したというので、食事、睡眠、頻尿やら、色いろとお話を聞きました
「家で一人でずっとテレビばっかり見てるんでしょう?こうやってお話すれば
結構スッキリするでしょう。あなたに必要なのはクスリじゃなくて話し相手ですね
骨粗しょう症のクスリよりお日様を浴びて外を歩くことです。解決してなくても
話すだけで気持ちが楽になる、特に女性はそうでしょう・・・」
「はあ」
わかっていても家でかみさんの話を聞いてあげられないのがタコたる所以ですが |
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「うちの娘に’お父さん加齢臭がする’って言われちゃってショックでさ」
「カレーシュウ?ああ、カレーでも食べたのか」
「そうじゃなくてオヤジ臭いってやつ」
「だってオヤジじゃないか」
「そういったら身も蓋もないだろう、そんなに臭うか?」
「俺も仲間だからわからんだろうな。でも、ちゃんと風呂はいってるならいいだろう不潔な訳じゃなし」
「でもいかにも不潔なものを見るようなめでみるんだぜ」
「女の子はそういう年頃なのさ、気にするこたーない。へんなニオイ着けるなよな」
そんなこと言ってるおまえたちは十分に『青臭いぞ』って言ってやりなよ |
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「なんだか最近下の血圧が高いんですよ」
「うん、90から100いってますね」
「どうしたらいんでしょう」
「クスリ足す前に、野菜をとる、塩分の濃いものを減らす、肉類を減らして運動するようにして、
体重が減るくらいになれば理想ですけどね」
「いやー、冬のうちはどうしても塩辛とかしょっぱいものが食べらさるんだすよ」
「どうして『どうしても』なんです?寒いと塩辛を食べなくてはいけない理屈はないでしょう。
あなたがそう思い込んでいるだけのことです。
そんな体質だから「どうしても」血圧が上がるんですけどね |
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「前に比べればだいぶお元気になったんじゃないですか?」
「そうですね」
「春だし、少し体を動かしたらいいんでしょうね」
「でも、まだ足腰弱いし本調子じゃないんでムリですね」
「むしろ逆ですよ」
「ぎゃく?」
「ええ、元気になったら運動しよう、調子良くなったらあれを始めよう、そう思いがちです
けど、そういってるあいだは何も変わらない。少しづつでも何かを始めてみる
その経過で、なんだかいい具合だに成るんです」
時間ができたら片づけだ、お金が入ったら幸せだ、結婚したら孤独じゃない
みんな同じですね、やっぱり「今でしょ!」(これが言いたかったのね) |
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「最近、北京の大気汚染が話題になってるじゃないか」
「PM2.5ってやつね」
「そうそう、この田舎でも飛んできてるのかな」
「◯◯市でも観測されたらしいよ」
「そうか、心配だな」
「言わせてもらうけどね、君はタバコを吸うじゃないか、禁煙になっていない居酒屋の受動喫煙は、
北京のPM2.5の濃度より高いそうだ」
「えっ、そんなにか」
「そうだよ、だからタバコ吸ってるヒトが、大気汚染とか放射能の発がん性とか心配してるのを聞くと、
ちょっと皮肉りたくなるのさ」
「・・・」
あなたは「歩く公害でしょ」ってね、まず手元の火を消しなさいって |
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「ここんところ運動不足で太ってしまいました」
「雪かきとかしないんですか」
「ええ、もっぱらうちの父さんがやってくれるものだから」
「うらやましい・・というかまあ無理の無い範囲でやれば雪かきはいい運動になりますよ」
「今年はだいぶしんどいって言ってます」
「旦那さんに倒れられても困るでしょう」
かとおもうと
「血圧かなり高くなってますよ」
「んだべ、毎朝、2時間は雪かきしてるからな」
「そんなに!息子さんや嫁さんもいるでしょう」
「知らんぷりして仕事さ行ぐすよ」
と、間接的DVのような家庭も結構あります
目の前に積もった白い雪は、人の心を測る試金石(雪)なのかもしれません |
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奥様が「けさからひどい下痢で、吐き気もするんです」
「熱はないようですね」
「ええ、でも寒気もしてダルイんです」
「周りににたような症状の人はいますか?」
「いないですね」
「おそらくいまハヤリの感染性腸炎というやつでしょうな」
「そうですか」
次に入ってこられたのは旦那さんです。
「あれっ、じゃあ同じ症状なんですか?」
「いやー、ここんところ便秘がひどくって、けさなんか浣腸してやっと出ました」
「真逆ですな(笑)それで、下剤をご所望というわけで」
「そうなんです」
「奥様のウイルスを少しもらったら」とは、口が裂けても言えませんが |
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「こないだ夜胸が苦しくなって救急にいったんです。それでいろいろ検査してもらったけど
異常ないって言われて」
「そうでしたか異常なくてよかったじゃないですか」
「いえ、今もまだ苦しくなって・・・」
「大病院以上のことはここではわからないけどなあ、もしかして
なにか心配事とかあるんじゃないんですか?」
「ええ、じつは・・マゴが今受験なんです」
「ハッハッハッ、そうでしたか、それですねきっと
いずれにせよ、結果がわかった時に症状は消えますから、保証します」
「ええ?どうしましょう」
「人生の大先輩がそんな肝っ玉が小さくてどうするんです
結果がどうだろうがお前の価値は変わらない、自分はお前を信じてるよ、安心して
・・・それくらいのことを(寅さんみたく)話してあげるくらいでいてくださいな |
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「きみ、セロトニンって知ってるだろう」
「ああ、脳内の神経伝達物質でこれが増えると幸せや平和な感じになる、というとこかな」
「そうだね興味深い報告があるんだ。たとえばAさんがBさんにいいことをしてあげる
贈り物をしたり手助けしてあげたりとかだね、するとBさんのセロトニンが増える」
「嬉しいだろうからね」
「おもしろいのがAさんのセロトニンも同じように増える」
「人助けができると自分もなんだかうれしくなるもんな」
「もっとすごいのがそれを’見ている人たち’のセロトニンも、同じように増えたそうなんだよ」
「へー」
「1引く1はゼロ、じゃなくて1は人にあげると2になり、10にも100にもなる」
幸せはゼロサムなんかじゃなく無限供給にできるというしあわせな掛け算なのさ |
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老人ホームの回診です、もちろんいろいろな認知症の方がいます
健忘もあるので週2回会っていても私のことは覚えていないようです
「ちょっと診察しますよ・・」
「なにするんだ、どうせばいいんだ!なんもわがんね!おらだばなんもわがんねじゃ(自分は何もわからない)」
と半ばご立腹のようにいつも繰り返すMさん、
「大丈夫ですよ」終わるとしおらしく
「どうも、ありがとうございましたっ!」スタッフは大受けです
(僕も何もわかってないけどわかってるふりしてるだけですから・・・)
何もわかってないことがよくわかっていれば、それだけで十分ですもの |
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