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カゼ気味といってきた4歳の男の子
「この子蚊にくわれたところを掻いたもので、’とびひ’になっちゃったんですよ
それでいま皮膚科にも通っています」「そうか、たいへんだったね」
「はい、かいちゃいけないのに、かいてしまってゴメンナサイ。スイマセンデシタ」
「おやおや、せんせいにあやまらなくていいんだよ、ボク。あやまるんだったら
じぶんのからだにあやまろうね、かいてゴメンネって」「。。。。」
「掻いちゃだめでしょ!」としかられてる姿が目に見えるよう |
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「この子、血液型を調べたことがないんですけどだいじょうぶでしょうか」
「ええ、大丈夫ですよ。血液型が問題になる場面といえば、輸血の時ですけど
その必要がある場合には必ず調べて、合うかどうか確認してjからやりますから」
小さな子どもにわざわざ針を刺すのはかわいそうだし、自費ですからね
ただ、占いや相性を調べるときには不便かもしれませんね |
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「またレントゲンの検査お願いします」「はい、結構ですよ」
「なにしろ親父が肺ガンだったもんだからね、心配で」
「でもCさん、他の検査、たとえば胃とか腸の検査は受けていますか」
「いえ、ぜんぜん」「もちろん肺ガンはこわいですけど
他の病気にはなっても良いというわけじゃないですからね」
「あたるの(卒中)だけはいやだ」「ボゲるのだげはやだす」みなさんそれぞれです |
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「明日から3日間旅行に行くんですよ」「ええ、良かったですね」
「それでいつものめまいが起きたら大変だから、めまいの注射お願いします」
「そうですか、いいですよ(発作を軽くする注射だし、今打ったからって
しばらく予防する効果はないんだけどなあ・・)」「ああ、良かった」
プラセボー(偽薬効果)があるくらいだから、安心できるおまじないの意味はありますかね |
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「あちこち具合が悪くてせんせい、大丈夫でしょうか?」
「そうですねえ、いろいろ調べても異常ないし、かぜみたいなもんじゃあ・・」
「肺炎になったりしないでしょうか?今晩ぐあい悪くなったらどうしましょう」
「なったら仕方ないからそのとき考えればいいし、いっくら考えても
心配が増えるだけで、病気が良くなったりしませんよ」
「ホントに大丈夫かなあ」「いくら医者でも、いのちの保証はできませんよっ!」
「必ずみんな死ぬのだけはわかってますけどね」とイヤなこと言ってきらわれる
あまのじゃくな医者なのです |
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うちの事務はいわゆる電子カルテではありません、引き出しにしまい込んであるカルテを
患者さんが来ると手作業で取り出します。しかしこれがなかなかバカにならない
「え〜と、あのほら、血圧でかかってる腰の曲がったおばあちゃん
名前なんだったかなあ?ちょっと太めで(失礼)ペタペタ歩くヒト」
すると「ハイ、たぶんこの人ですね」とすぐにカルテが出てくる
このファジーなところ、パソコンではかないませんね |
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「まだセキが止まらないんですよ」「そうですか
もうすこしくすりを続けてみますか」「お願いします」
「ちなみに、タバコは吸いますか?」「ええ、でも一日1本か2本ですけど」
「たったそれだけですか?」「ええ」
「それならすぐにやめられるでしょう」というのは非喫煙者の言い分のようです |
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「Oさん、久しぶりですね。でも(カルテは処方ばかりで血圧がありません)
せっかく毎週クスリを取りに来てるのにどうして血圧はからないんでしょうね
少しでもめんどくさくないようにって、わざわざ
自動血圧計は玄関入ってすぐのところにおいてあるんですから」
「はあ、あのキカイ、はかっても良いんですか」「いいんですかって・・・(絶句)」
「自動」といっても本人が手を入れてくれない限りははかれません、さすがに |
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「今度の土曜は休診ですからね、間違わないでくださいネ、3連休になりますから」
「えっ、そんなに休むの?どうして」「休むと言っても土曜だけ半日休診で
あとは祭日と日曜日だから、もともとお休みですよ」
「まあ、いいわねえ三日もやすむなんてねえ」
病欠は一度もないんだし「毎日が日曜日」のあなたにそういわれてもなあ、ぶつぶつ |
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「血圧手帳見せてくださいな」「あっ、忘れだす。きのうまでは
明日忘れないで持って行こうって憶えてたのに、なんだべェ」
「そうですか、それはしょうがない。忘れ物しないコツはですね
思いついた瞬間に、それを実行に移してしまうことですよ」「はあ」
「あした忘れずに持って行こう。じゃなくて、そう思ったら、すぐに
手帳をカバンに入れてしまうんですよ」「なるほど」
ただ、この方法もおぼえていないと永遠に実行できませんけど |
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病気の治療のために生活上の注意・指導をしますが・・・
「だばって、腰いでえがらあるげねえす」
「だばって、なに食べでもうめえがらなあ」
「だばって、たんぼど畑でいそがしいがらなあ」
「だばって、わだすは水飲んでも太るんだすよ」
「んだすな、へばやってみるす」という御返事はなかなかいただけません |
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ときどきびっくりするようなシンクロ(共時性)があります
(ふとおもいついて)「そういえば、あのひと最近来ないね」
そういうと電話が鳴って出たら、その患者さん本人だったり
「あの血圧ものすごい高い人、このごろ来てる?」といって自宅に電話したら
「つい先日なくなったそうです、脳出血で」「えっ!」
「転院したSさん、いまごろどうしてるかなあ?」「先生、今朝の新聞
見たんじゃないんですか」「いや」「死亡広告が出てましたよ」「・・・」
そんなこわいシンクロは「スクナメニシティー」ほしい |
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「うちのおじいさんが、夜眠れないからお薬もらってこいっていうんですけど
昼間もテレビ見てるって言うけど、ずっと寝てるんですけどねえ」
「そういうかた多いですね。でもまずは夜昼の逆転をあらためるように
いろいろとがんばってみてくださいよ」「ええ、いつもうるさくいうんですけどね
ねてばっかりのせいか、身体もどんどん弱って行くみたいで」「でしょう
この上安定剤なんか飲んだら、もっとへなちょこになりますよ、いんですか?」
出すのはもちろん簡単ですけどね(こんなに抵抗する医者も珍しいかも) |
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「Aさん、このあいだの健診で肝機能がひっかかってますから
そのうちに、よくなったかどうか再検査しましょうね」
「ええ、そうですけど」「お酒は控えてみましたか?」
「・・・いえ、ぜんぜん。毎日飲んでます」「う〜ん。せっかく健診
受けたんですから、指摘されたところは改善していかないとね」
「それはわかっているんですけどね」
なかには、毎年悪いのを確認するためにドック受けているような人もいますけどね
(「検査受けた」ということで安心してしまうんでしょうね) |
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半年ぶりにカゼぎみでいらしたHさん
「あれっ、そういえば前回はめまいがして吐いて大変で
いろいろ検査して点滴までしてましたね。大丈夫だったんですか?」
「ええ、次の日にはもう良くなりました」「はあ、でも血液検査の結果が
大丈夫だったから良いですけど、なにかひっかかっても聞きに来ないと
わからずじまいで、ヘンな話、手遅れになったりすることもあるし・・」
治らなければまた来ますが(あるいは他に行くか)、元気になってもそれっきり
・・・結果を確認できずに報われないことが多い因果な商売ですネ |
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「このあいだまたかぜぎみになったんですけど」「ええ」
「あんまりせんせいを心配させちゃいけないわと思って、きませんでしたのよ」
「またあ、冗談でしょう」「いえェ、ほんとなのよ」「まじめに言ってます?」
「そう」「それくらいじゃあ、シンパイはなさそうですね」
かえって、患者さんの常識がシンパイになりますけど |
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「あのう、私くらいの年だと、血圧はどれくらいあれば正常なんでしょう」
「まあおうちで測って上が135,下が85以下なら正常範囲ですね」
「じゃあ脈はどれくらいあれば正常なんですか」
「そうですねトシに関係なく50から70といった範囲じゃないですか?気になりますか」
「いえ、たまに80とかになることがあって」
「まあそれくらいならふつうですし、たまにならいいんじゃないですか」
「じゃあ、脈が多くなったらどうしたら良いんでしょう?」「そうですね・・・」
「心配しないで、からだはそんなにいじらなくてもあるがままで正常ですよ」といいたい |
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子どもが予防注射をしたあとに「ごほうび」にペコちゃんキャンディをあげています
味をしめて、自分は注射しないないのに「アメは?」とか
ふつうの診察のあとにも「アメちょうだい」となる子もいます
それくらいならかわいげがありますけど
おばさんが「あら、そこにあるアメ、おいしそうね、一つくれない?」
「だめですよ、子ども用なんだから」「い〜じゃない一つくらい」「だ〜アメ
それにあなた糖尿病じゃないですか」「ふん、ケチねえ」
まったくもうカワイくな〜い |
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「大変だす、クスリ切れでしまって。昨日来たばって、休みになってだがら」
「そうですよ、といっても、もともと祭日じゃないですか。カレンダーに載ってるし
急に決まったわけじゃないんですからね。少し余裕を持たないとね」
日曜日や連休には決まって電話があります
「きょう、やってますか?くすりがなくなってしまって」
でもクスリが切れてから来る人は、そのぶん多めに出してもやっぱり切れてから来る |
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「あれえ〜ここではかるといっつも高いなあ」「ほかではどうですか?」
「ほら総合病院の整形外科行ってるから、あそこで計るともっと低いんだけど」
「そうですか、わかりました。あそこは混むでしょう?」「ええ、そりゃもう」
「ずいぶん待ってから計るから、下がってるんですよ」「はあ」
「うちは来たら待たないですぐ計るから高めになっちゃうんですね」「なるほど」
「待たなくていい」のは「いつも空いている」わけで、褒めたことではないような
それにあんまり空いてると患者さんも不安になってしまうかもね |
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「こないだ総合病院に行ったんですよ、腸の検査したらって先生が言ってたから」
「ええっ、いきなり?」「何も考えないで、そしたら・・」「怒られたでしょう」
「そう、ちゃんと紹介状持ってきなさいとか」「あなたのような人がいるから
外来が混雑するんだとか。ここは特殊機能病院なので、そもそもかぜとか・・云々」
「そうなんです、よくわかりますね」「ええ、まあ。昔ボクもやってましたから(爆笑)」
その(厚労省が乗りうつったような)小言を飲み込めれば、もっと早く済むんですよね |
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「胃の検査お願いしますだ」とは腰の曲がったBさん
「だばってカメラだばぜったい無理だがら、バリウムでお願いするス」
「そうですか、まあいいですが」
(検査中)「はい、息止めて〜うつぶせになって〜仰向けになって〜左向いて〜
右の腰挙げて〜今度は左〜はい台起こしますよしっかりつかまって〜・・・」
ガラスの向こうではそのたびにエッチラオッチラ大変なことになっています
胃カメラ飲むのは楽とは言いませんが、寝ていればいいだけですからね
「食わず嫌い」ならぬ「やらず嫌い」のかたが多くてかわいそうです |
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一家そろって、おばあちゃんからマゴさんまでセキに悩まされているTさん一家
よくよく訊くとおじいさんがニワトリを10羽ほど飼っているそうで
「おそらくそのフンや羽やらホコリやらが原因じゃないかなあ」
「でもね、何度言ってもきかないんですよあの人、まったく、ゲホゲホ」
(こんなにつらそうなの見ても何とも思わないんじゃネエ)
「そうですか、じゃあサダメと思ってあきらめますかネエ」やれやれ
ニワトリがみなさんのいのちトリにならないことを祈ります |
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外科系のある先生「かぜがこわいからね、うちは熱がある人は待合室に入れないんだ
カゼ気味の人が来たら空気清浄機を’最強’にするね」「そうですか
まわりにうつったら大変ですもんね」「いやいや、ボクにうつったらいやだからさ」
ぎゃふん
カゼを怖がる医者も珍しい?カゼ引かないのは私の自慢ですけど |
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「きょうは胃の検査してもらいにきたすばって」「ええ、いいですよ」
「だばって、胃カメラだば飲めねえがら」「まあ、胃の透視でも良いですよ」
「だばって、それもこわいんだすよ」「え”〜そんな人きいたことがないなあ」
「ともだぢさきいだら『オレはちょうおんぱでやってもらったど、あれだばらぐだ』
っていうがら、わだすもちょうおんぱだばだめだすが?」
「あのねえ、勘違いしてるようだけど・・・(かくかくしかじか)」
ちょう音波といいながら「いちょう」のことはわからないのです |
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「腰が痛くてねえ」「そうですか、散歩なんかはできますか」
「いえ、車が危ないから歩きません」「そんな、道路ばっかりじゃないでしょう」
「いえ、広場も公園もうちのほうにはないし」「ホントに?」
(田舎はある意味ぜんぶ公園ですけど)
「それに人のうちの前歩いてるとあやしまれるしねえ」「そうですか?
それじゃあ仕方ないですね」(ヘンな若者じゃなくて、もう80になる顔見知りの住民が
近所を散歩していると、怪しむ人がいるわけですね・・・・)
こうなるともう説得するより楽しみですね、どんないい訳が出てくるのか |
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看護婦が患者さんに声をかけます
「いつもくすりだけじゃなくて、たまに診察してもらってくださいね」
「だばって、今日は古しいふぐきてるし、汗かいでらがらみっともね」
「そんたごどねえでば」「どうぞどうぞ、入ってください」と私「あれま、どうすべ」
「ここはファッションショーするとこじゃないし、わたしはそんなの
ぜんぜん気にしませんよ」「んだすか」「もちろんです」
そうはいっても若い女性の派手な下着には少しドキッとしますね・・ |
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「Nさん、クスリのんでるけど血圧高いですね」
「ええ、でもわたしはこんなもんでしょう」「そんなことないですよ
もっとしっかり下げなくちゃ。ヘンな話、年金と一緒ですよ」「はあ?」
「『自分は年金をしっかり半分だけ納めています』という人がいたらどうです
せっかく欠けずに納めても、肝心の年金は少しももらえないでしょう」「ええ」
「マジメにクスリを飲んでいても下がっていなければ危険は同じですよ」
「くすりのんでるから大丈夫」「病院通ってるから安心」という錯覚に注意! |
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「まだ血圧のクスリは減らせないでしょうね」「そうですね、いまでも少し高めだし。
クスリ多いですか?」「いえねえ・・」「じゃあ、いつも持って行っている睡眠薬とシップ
減らしましょうか」「いえ、それは要ります」「じゃあ、いまのまんまですねェ」
わたしはただ病気の「リスク」を減らしたいんですけどね |
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「家で血圧つけてるんですけど、最近下がりすぎで心配です」
「えっ、どれくらいですか」「昼過ぎに120の70くらいになるんですよ」
「それは別に低すぎないし、正常範囲ですけど」「そうですか」
「確かにクスリ飲む前に比べれば下がってますけど、心配ないですよ」
「下がりすぎ」じゃなく「いい具合に下がってます」ととらえてほしいもの |
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「Sさん、最近やせましたね」「ええ、ふつうに食べてるんですけどね」
「一度胃の検査とかしてみたらいいんじゃないかな」「そうですか
でも胃カメラはホントにしんどくてつらいってみんな言うから
こわいのでやりたくないです」「それは、人によるし(やる医者にもよるし)
言われるほどつらくないんだけどなあ・・」「やっぱり、やめときます」
胃ガンのほうがこわいと思うけど、この「神話」は根強いですね |
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「ところでせんせい」「なんですか」
「私の飲んでる血圧のクスリはオレンジ色ですけど」「ええ」
「友だちが飲んでいるのは白色なんですよ」「それで」
「だいじょうぶでしょうか?」「・・・・・・・・だいじょうぶですよ
だって、『人生いろいろ、クスリもいろいろ』っていうでしょう」「・・・・・・」
患者さんはじつに「いろいろ」なことで悩むようです |
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胆石持ちのGさん。「こんど旅行に行くんですよ
それで、行ってる間に痛くなったら大変だから検査に来ました」
「ええ、結構ですよ。でも、検査したからって痛くならないわけじゃないし
ほかに痛くなっても『いい』日があるわけじゃないですよね(笑)」
「そうですね、どうしましょう」「大丈夫と思いますが、念のため
痛み止めを持って行ったらいいんじゃないですか」「そうします」
われながら、最近つっこみがイジワルになってきたかも |
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「さいきん血圧が高めで、こわいのできました。見てください」
「確かに、自宅でも少し高いようですね。お薬を追加しますかね」
「そうしてください」「それにしても今日は高いですね」
「ええ、しばらく薬切れちゃっていたので」 ギャフン
「風邪ぎみでセキが出て、喘息になったらこわいので早めに来ました」
「そうですか(でもタバコ臭いなあ)、タバコやめていますか?」
「いえ、食後の一服だけですけどね・・・」 ぎゃふん
みんなもしかして「社交辞令」なの? |
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「先生、だめだったでしょう!」「はっ?ああ、検査結果ですね。
え〜と(便潜血じゃないか)、大丈夫ですよ、陰性でした」
「あ〜〜よかった。たすかったわ。うれしい〜、もうだめかと思ったわ」
「あのですね、(これが陰性だからって大腸癌を100%否定できる
わけじゃないし、一回ではね、、、、)まっ、いっか。よかったですね」
「はい。ちょっと早いけどいつもの薬もらえますか?」「いいですよ」
来るたびに、そんなに命縮めるんじゃ、来ない方がいいですモンね、ふう |
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「風邪薬もらって飲んだけど、熱が下がらないんですよ」
「どれくらいですか?」「37度2分からさがらないんです」
「具合は悪いんですか?」「ええ、まあ頭が痛いかなあ、熱下げてくださいな」
「しんどいんだったらしかたないですけどね、熱下げるだけなら簡単ですよ
ある意味。でも、それとカゼが治ったのとは別ですからね」
「そうですか」「熱はからだが病気と闘っているしるしだし
休めっていうサインなんですから」
「ガス欠ランプが点灯したのでランプを外してください」というのと同じなんですけど |
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「Fさん血糖値が下がりませんね。食事は気をつけていますか?」
「ええ、甘いものはなるべく食べないようにしています」
「もうくすりもめい一杯飲んでますからねェ、どうしましょうかね」
「あのう、ポテトチップスとかもだめだすか?」
「えっ、あれはものすごくカロリーが高いんですよ」
「んだすか、甘くないし、しょっぱいからいいがと思って食べてました」
「ちょっとだけ」といったって2〜3枚で終わる人なんか見たことありませんし |
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「Dさん、そろそろ血糖とコレステロールの検査をしないと」
「いやあ、今朝大福食べちゃったから、また今度」
「Aさん、いいかげん肝機能のチェックしないと」
「うひゃー、昨日の晩飲み過ぎちゃったから、この次にしてくださいよ」
年に一回しかしないようなことならいいですけど「あるがままの日常の状態」
を知らないとねェ(健診の前一ヶ月、優等生にするのもある意味同じですが) |
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「でもさあ、うちのじいちゃんなんかタバコぶかぶか吸ってたけど
90まで生きたモンね。全然関係ないよ」
「そうですか」(こういうヒトに統計の話をしても通じません)
ええふりかましてよかですか
じゃあ「○○さんが高速道路、逆行しても無事だったから
“高速道路は逆向きに走っても良いです”」という理屈と同じなんですけど |
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「このあいだまた転んでしまって」「大丈夫ですか?」
「こわいがら、あんまりそどあるがねえようにしてるす」
「そうですねえ、でも家にこもるとよけい弱っちゃうから、杖使ってでも
歩くようにしたらいいんだけどねえ」
「いやあ、なんぼなんでも、まだ杖の世話にはならねえス」
そういうのは80過ぎの患者さんです(じゃあいったいだれが使うんだろう)
若者も中高年も「車に頼りっきり」でからだは軟弱になっているのに
杖使ってしっかり歩いている人のほうがよっぽどたくましいですけど |
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「禁煙したいんですけどね、なかなかやめられなくて」「そうですか
ニコチンパッチは以前やってたんですけどね、保険が適応になってから
いろいろ条件が付いたので、うちではできなくなったんですよ(まったく)」
「そうですか」「まあ禁煙に関する本なら沢山ありますから、まずはタバコの怖さを
勉強して頂くのが第一歩かと思いますよ」
「いやあ、タバコの害なら重々承知してるんですよ」「そうですかねえ」
「本当にわかった」ならやめられるわけで、頭だけで「わかってるつもり」
の方が多いんですよね、そしてそう思いこんでいると前に進まない |
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「お酒はどれくらい飲みますか?」「いやあ、あんまり飲まないっすよ
そうだなあ、ビール一本に、まあたまにしょうちゅうをお湯で割って
うす〜くしたやつを、2杯か3杯ってとこですかねえ」「そうですか」
でも私は知っています。
「酒飲みは飲んでいる酒の量を、半分にしか申告しない」という法則を
・・・なぜなら、わたしがそうだからです(ぎゃふん) |
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登下校の子どもたちの安全を見守ろうという運動が広がっています
要所要所の家では「なるべくその時間にそとに出ていてください」と
そう声かけしなければいけないほど
サンポしていてもあまり大人たちを見かけないんですよね
(人口密度が低いんだろうと言われればそれまでですが)
みなさん子どもの事件をテレビのニュースで見ながら
「けしからんな」「こわいわね」「どうにかならんのか」等々
家の中で一生懸命「テレビを見守って」いるせいでしょうね |
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以前勤めていた病院でのこと(茨城ですが)
毎月1日(ついたち)は比較的すいていることに気がつきました
先輩の医者に訊いてみると
「そうなんだよ、月初めから病院のような“忌む”ところには
来たくないってゆう、まあ縁起かつぎだな」「へえ〜〜」
「忌む」ところでなく「病気」と「邪気」を払い
「運気」も好転するような「医務」をしたいですね、ちょっとしつこいか |
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「少し太りましたね、お散歩とかしていますか?」「いえ、ぜんぜん」
「まあ週に2・3回、30分でもいいですから歩いてみましょうよ」
「そうですね、なんとか頑張ってみます」「がんばらなくていいですよ」「?!」
「もともとお散歩は、すがすがしくて気持ちいいものじゃないですか。
それを“体重減らすんだ”とか“やらなくっちゃ”と思ってやると、
たいがい続かないですよ」「そうですかね」
脇目もふらずに早足で歩き回っている人は、なんかもったいないですネ |
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「Uさん、尿酸が高いですね」「はあ、何に気をつけたらいいんでしょう?」
「お酒は飲まないでしょうから、お肉を控えるとかですね」
「お肉はほとんど食べないですよ」「じゃあ、野菜を多めにとるとかね」
「野菜は嫌いだから食べないですね。ご飯もちょっとしかよそわないし」
「すると、いったい毎日何を食べてるんでしょうね!?」
「突撃となりの晩ご飯!」みたいに、のぞきに行きたくなりますネ |
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私が「禁煙」の話をすると決まって言われる反応
「おれらは沢山納税して地方に貢献しているんだ」
売店のレジにも張ってあります「市のタバコ税収は○億○千万円です」
「それにタバコの葉を作っている農家も多いんだ、その収入にもなる」
ええふりかましてよかですか
「それじゃあ、武器を作っている産業が多いからその利益のために
戦争を起こすのだ」といっているどこかの国と一緒じゃないですか
「家計のためならヘロイン栽培してもいい」といってるのと同じことなんですよ |
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「血圧高いですね」「おかしいわね、家じゃこんなに高くなることないですよ」
「血圧計もってるンですか」「ええ、毎日はかってつけてますよ」
「な〜んだ、じゃあこんどから持ってきて私に見せてくださいな」「そうですか」
「だって、おそらくあなたの血圧に興味があるのは私くらいなモンでしょうからね」
そもそも私に見せて頂きたくてどしどし配ってるんだし
自分だけ眺めてニヤニヤしてもしょうがないと思いますけどネ |
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飲み会に行くとよく訊かれます
「せんせ、二日酔にならないいいクスリはないもんだスカね」
「はあ、ないですねえ。まず量を控えて遅くまで飲まないことですね」
「それをいっちゃあおしまいよ」「ですね、もう手遅れだし」
(なにしろすでに午前様の会話ですもん)
超安値のセール行って沢山買い込むと得した気になりますが
冷静に考えると、店に行かないのがいちばんのお得だったりするわけで |
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ケンタッキーフライドチキンのレジに並んでいたときのこと
しげしげとメニューを見つめていたおばあさん
「あのうこのトリの手羽、200グラムばかし下さい」「はあ?・・」
健診で入ってきたおばあちゃん
「はい、まず体重を量りますからね、ここに乗ってください」
「あいよっ」「52キロですね」
「んっ?それ”カン(貫)”にすればなんぼだすか?」「はあ?・・・」
わたしがとなりでニヤニヤしてメモをとったのはもちろんです |
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郊外にはいわゆるドラッグストアの大型店が進出しています
買い物に(目薬を買いに)行ってびっくりしました
入り口にはタバコの自動販売機が立ち並び
ビールやウイスキーやらワインが沢山積まれているではないですか!
その奥には「飲み過ぎに○○マック」のたぐいの胃腸薬が並び
そりゃある意味酒もタバコもドラッグだけど・・
ええふりかましてよかですか
「薬屋さんの目的っていったいナニ?お客さんの健康じゃなくてお金ですか?」 |
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「え〜と、今日は血糖の検査ですね。朝ご飯は食べましたか?」
「ええ、うっかりしてちょっと食べちゃったんですよ」「何時に食べました?」
「いえ、ほんのちょっとですよ、昨日の残りとバナナを一本かな」
「まあ、食後の血糖と言うことで調べますからいいんですけど、何時でした?」
「薬を飲むから食べなくちゃと思って、ついうっかりして」「いいんですよ
それで、ちなみに何時に食べたか教えてもらえますか?」「え〜と〜・・・」
訊かれると責められてるように感じてつい弁解になる人が多いですね |
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「ねむれねくて、くすりっこもらえねえべが」「ちなみに、何時に寝て何時に床を出ますか?」
「うんだな、11時過ぎに寝で、おぎるのは8時だべが」「ずいぶん遅いですね。
もっと早寝早起きしなくちゃ」「だばって、なんにも仕事してねえしなァ」
「そんな、そもそも『早起きは三文の徳』って言うでしょう。つまり、朝早いと・・
ってゆうか、もう大人なんだから、そんなこと説教させないでよっ!」
しつけや道徳は子どもに教えるためだけのものではない・・ハズですよね!? |
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「だいぶ太りましたねえTさん」すると付き添ってきた娘さん曰く
「そうなんですよ、もうお菓子が大好きで、ぱくぱく食べてるんですよ
せんせい、なんとか注意してやってくださいな」「でも、おばあちゃんは
動けないんだから自分で買ってくるわけじゃないでしょう?」
「ええ、まあ・・・」「娘さんが買ってくるわけでしょう」「・・そう、ですね」
「まわりにあるから食べるんであって、なければあきらめるでしょうし」
「・・・」「他の人も食べるんでしょうけど、まずは買うものを選びましょうよ」
「・・・そうします」
何しろ親子ですからね、人ごとじゃなく自分の未来の姿と思っていないと |
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「痛めた膝はその後どうですか。整形外科には通っていますか?」
「いいえ、遠いので行ってません」「でもここに来るのとそう変わらないでしょう」
「でも、少しでも膝に負担をかけないようにと思って」と70過ぎのKさん
「そうですか、あんまり動かないとかえって弱くなりませんかね」
「大丈夫、家の中でいっぱい歩いてるから」「そんなのたかがしれてるでしょう
負担かけないなら杖を使えば楽ですよ」「まさかそんな年じゃありませんよ!」
そんなにこわれもの扱いにしないで、からだをもっと信じてあげましょうよ |
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小中学校のかつての恩師が患者さんとして来られることがあります
あまり変わらないお姿なのにびっくりしますが
「先生、よろしくお願いします」なんて言われるとかえってとまどいます
生活上の注意をするハメになったらまた冷や汗ものですしね
なんだか自分だけどんどん年をとったみたいなヘンな気分です |
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お昼の定食屋で驚かされることがあります
みなさんきまって熱心にマンガ本読みながら食べ物を口に運んでいます
脇目もふらずにこぼさないで食べるのは感心(寒心)するほどです
テレビがお昼のにぎやかな(うるさい?)番組を流すなか
食材や味に注意を払っているヒトは少ないようで
静かなのってそんなに居心地が悪いかなあ・・・
食事は「済ませる」ものではなく、からだにも大切なイベントのはずなのに |
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親父は、どんな症状でも決して「年のせいだから」とは言わない
と、生前語っていました。わたしもそう思っているので使いませんが
患者さんのほうがどしどし言いますね
「腰痛くて〜足腰弱って〜物忘れがひどくて〜めまいがして〜
・・・まあ年のせいだからしょうがないんでしょうな」ときます
「ち・が・い・ま・す・よ。年のせいじゃありません。だったらみんなが
ならないとおかしいでしょう。同い年で元気な人はいるでしょう。
それどころか90歳でエベレストにのぼる人だっている。」
「どうせトシだから」と自分に言いきかせるヒトが「年寄る」とサトリました |
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昔から気になっていた言葉づかい(私より年上のヒトばかりです)
「タクシーみえました」「銀行さんみえました」「・・・?」
不安になって調べてみましたが「みえる」は「来る」の尊敬語です
あと「先生はおりますか?」「わかる方はおりますか」「・・・?」
やはり「おる」は「いる」の謙譲語です(自分に使う言葉)
用法としては間違いだけど、あまりにみんなが言うので
(こないだは「先生、タクシーお見えになりました」に大苦笑)
地元の特殊な使い方だと結論。しょうがないから合わせています
「自分は家におりますが」というのが尊敬語ととられてもマズイし |
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月に一回はカゼといって子どもさんを連れてくる親御さん
「また夜中に咳をするんですよ、なんでこんなに弱いんでしょうね?」
「家にトリや犬は飼っていませんか?」「いえ」「カーペットやソファとか
ほこりっぽい、カビっぽいということは?」「気をつけてます」
「でもね、おかあさん(おとうさん)、タバコ吸うでしょう」(ニオイでわかります)
「ええ、まあ」「親のタバコの煙は、子どもの喘息・アトピー・気管支炎の
危険因子なんですよ!まず、薬のませる前に、親が禁煙しなきゃ!」
子連れで運転しているくわえタバコのママは本当にカッコウ悪くてぞっとします |
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昼ご飯たべにぶらりと入ったお店で患者さんに出くわすことがあります
おたがいちょっとばつが悪いですね
糖尿病の人がご馳走のあとデザートまで頼んでいたり
肝臓悪い人が昼間っからビール飲んでたり(悪くなるわけです)
新聞に顔写真が載るからでしょうか、お店の人にいわれることも
「ああそうか、先生ですね、また来てくださいね」すると他のお客さん
「えっ、だれっ?」「ほら、佐々木内科のせんせいよ」とヒソヒソ・・・
すると気弱なボクは?もう行けなくなってしまうのでした、トホホ |
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「あれれ、今回は薬切れちゃってますねえ」
「そうなんですよ、あんまり忙しいから来れなくて。(ガサゴソ)
このお菓子、大先生の仏前にでもあげてくださいな。
それど、これ川でとれたあゆだす。揚げれば食べれるようにしてあるす」
「ありがとう、っていうか、そんなことに気を遣わなくていいから
きちんと通ってくれたほうがボクとしてはありがたいんだけどなあ」「んだすか」
もちろん、そのお気持ちはありがたいですけど |
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「今日は食べないできたので血糖の検査お願いします」
「どうですか、お食事のほうは?」「ええ、でもついつい食べちゃうんですよね
・・・いえ、食べないように気をつけてはいますよ、もちろん(汗;)」
「わたしに怒られるから頑張るんじゃないですよ(それでもいいですけど)
自分の身体のためですからね、ここで建前言ってもしょうがないじゃない」
『自分に隠れて食べる』ことだけは絶対にできませんからね |
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「こないだ胃の検診で引っ掛かったので胃カメラ飲みました
そしたら、異常なしだって」「そうですか、それはいいですけど
胃カメラだったらうちでもすぐできるのに」「えっ、やってるんですか!」
(ポスターにもパンフにも写真入りでのせてますけどネ)
「こないだ具合悪かったけど、土曜日だからガマンしてました」
「えっ、うちは土曜日も午前中やってますよ」「えっ、やってるんですか!」
「うちに通ってもう10年以上になるのに知らないなんて・・・」
どんなに目立つようにしても、気づかない人は気がつかない、きっと |
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診察台にあおむけに寝たOさん、おなかはまるでトトロのよう(失礼)
「(脂肪が多い以外は)異常なしですね、起きて結構ですよ」
「よっこらしょっと(苦笑)、こう言うようになったらおばさんだわね」
看護婦に手伝ってもらいながら、ようやく起きあがりました
「ていうか、一人で起きあがれなくなったら、かなりまずいとおもいますよ」
一人で起こせないと大型バイクの免許もとれないくらいですからね |
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定年退職したSさん、いわゆる「毎日が日曜日」です
「サンポするって言っていましたけど?」「うんだ、始めたけど
最初に一時間も歩いたら腰痛くしちゃって、やめだす」「そんな」
一日3回毎日血圧をつけていたMさん、
「最近血圧計ってますか」「いえ、ここのところ油断しちゃってぜんぜん」
一生懸命やってピタリとやめる人よりも、たとえきまぐれでも
ずうっと続けられる人のほうが病気は治るという法則ですね |
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市が行う「基本健診」の時期になりました
待合室も混み合っていますが、よくみるといつもの常連さんばかり
「こないだ検査してるから、いらないと思うけどねえ」(早期発見が目的なんだから
ふだん病院に縁のない、若い人が大事なんだけどなあ)
看護婦も「お父さんはいくつでどんな病気でなくなりましたか?」と
毎年振り出しに戻って聞いています、80のおばあちゃんに・・・
全くムダとは言いませんが、かなり効率が悪いのは確かですね |
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「Tさん最近調子いいじゃないですか」「ありがとうございます」
「血圧も血糖も落ち着いていますしね」「でも、ここんところ
食欲がありすぎて、食欲を抑えるのが大変なんですよ」
「でも、変な話、野生動物に食べ過ぎの肥満や病気は居ないと言うでしょう
本当にそれが自分の食欲なのか、吟味する必要があるでしょうね」「?!」
「広告やCMのイメージで【食べたい・食べなくちゃ】と思いこまされていないか」
五感や欲までも自分のものに取り戻す必要がありそうです |
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「血圧の薬減らせねえすべが?」「そうだね、病院ではちょうどいいから
家でもっと低いのが確認できれば、減らせますよ。血圧計持っていますか?」
「あるす」「じゃあ計ってみてください」「だばって、いそがしくてな」
「いそがしいったって、2〜3分もあれば計れるじゃない」
「だばって・・・」「忙しくて朝ご飯や昼飯抜いたことありますか?」「ねえすな」
「いそがしくて、テレビ一回も観ない日がありますか?」「ねえすな」
「いそがしい(忙)という字は『こころが亡い』と書くでしょう。
時間がないんじゃなくて、なにに心を遣うかということなんですよね」 |
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「病院ではいつも高いけど、家ではどうなんでしょうね」
「はあ、血圧計ねえがらわがんねすな」「買って計ってみたらいいんだけどねえ」
「だばって、うぢのかっちゃ(嫁さんのこと)『ババだばそんたらむずがしい機械
つかえるわげねーべ』っていうがら、ワシだば無理だすべ」
「そんなことないよ、簡単な機械だし。だって魚3枚におろせるでしょう?」
「でぎるす」「それに比べればすっごくかんたんなもんだ」「んだすか?」
ボクは魚3枚におろせませんし・・・・ |
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30代のSさん、化粧品店に勤めています
「ずっとつかれやすくてだるいんですよ、夜もよく眠れないし」
たしかに肌も荒れて目に力がありません「Sさん、タバコ吸うでしょう」「ええ」
「それにコーヒーも」「そうですね、一日5〜6杯は飲みますね」「いちばん安い
というかお金がかからないエステを教えましょう」「えっ、そんなのがあるんですか?」
「ええ、肌につやは出るし疲れないし、元気ハツラツですよ」
「まずタバコとコーヒーをやめましょう」「・・・・・・」 |
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禁煙に成功したHさん、お酒は大好きです
「肝臓の数値が又悪くなってますねえ、お酒、まあ、やめろとはいいませんけど
控えて、休肝日ふやさないとね」「タバコはやめたんだからさあ、いいじゃないっすか
これでお酒もやめたら、人生な〜んにも楽しみがなくなっちまう」
だったら、外で楽しそうに遊んでる子どもたちや、酒もタバコも『たしなまない』大人は
そんなにつまらない毎日を送ってるんでしょうか |
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高血圧、糖尿病、高脂血症のSさん。喘息もあるのでゼーゼーいって受診
「苦しいですね、いま吸入でいいクスリがあるから追加しますからね」
「こうなるとホントにわしは『くすりづけ』ですな」
「そういうと、いらない薬もいっぱい出してるみたいじゃない、必要最低限ですよ。
それにそういう悪いイメージばかり持ってるとホントに効きが悪くなりますからね」
だれも「タバコづけ」「酒づけ」「テレビづけ」って言わないのにねェ |
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「セキしていたら息子が『かあさん、結核かもしれないから
ちゃんと病院に行ってみてもらって』というもんだからね」
「テレビで『背中が痛いのは膵臓癌かもしれないですよ』
っていうの観て、そういえば少し背中が痛いなと思って・・・」
「このしこりはなんですか?」「リンパ腺ですね」「そうお、ガンの転移の
可能性があるってテレビで言ってたから、全部調べてくださいな」
・・・お気持ちはわかるし、万が一ということがありますからいいですけど
そうやって不安ばかりつのらせていると「そのうち大変なことになりますよ!」
「病は気から」心配ばかりしてるとホントの病気を自分で作ってしまいますから |
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あちこちで医師不足が問題になっています、厚労省は「足りるハズだ」と
原因は「立ち去り型サボタージュ」にあるとする本が波紋を呼んでいます
一生懸命やっても患者さんやメディア、警察からも攻撃されるような
そんな小児科・産科から手を引いて、比較的「無難」な位置に避難しよう
外科より内科、勤務医より開業へ・・「いちぬけた(ゴメンナサイ)」
すると残された医者はもっとしんどくなって「にいぬけた(ホントゴメン)」
医者と患者さんは「敵」ではなく「同志」だということを国民のみなさんが
想い出してくれなければ・・
これを読んで「ふざけるな」と思った貴方、それが原因なんですけどね |
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「先生、またカゼ引いちゃいましたよ」「そうですか、大変ですね。無理してるんですか?」
「いえねえ、ちょっと旅行に行って疲れちゃったのね。それで、このあいだは
なかなか治らなかったから、今度は”いいクスリ” お願いしますね、せんせい」
(そんな、クスリにいい悪いがあるわけでなし、わざと変なクスリ出すわけないじゃない
そういうふうにクスリがないと治らないと思ってるからこじらすのであって・・・)
「わかりました、じゃあ今度は強くて高くていいお薬出しますからっ!!」 |
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草取りのしすぎで体調崩す人が多くなってきました
うちのかみさんも一生懸命、庭にはえたタンポポを抜いています
もともと「雑草」なんてヒトが勝手に決めたことで、砂漠化が問題になってることだし
雑草でも、はえてくれるだけありがたいと思うんですけどネ
冬になればどうせ枯れてしまうわけだし・・
「ぶつぶついってないでちょっとは手伝ってよ」「はいっ」 |
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お昼休みに街や河原を歩いていると知り合いに出会います
「あれっ、なにやってるの?」「んっ、お・サ・ン・ポ」「へえ〜、なんでまた」
「そりゃあ・・・」「はは〜ん、痩せるためだろう。あっ、わかったボケ防止だ」
「おいおい」「医者の不養生って言われないためだろう」「・・・」
「気持ちいいから」とか「散歩が好きだ」じゃだめなのかなぁ
Charも歌ってるでしょ「なにも考えないで、タダひたすら歩く♪」って |
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「ここ一週間くらい、鼻水がひどいんですよ。じゅるじゅるで」
「あ、そうですか、大変ですね。カゼみたいな感じですか?」
「そうですね、のどは痛くないけど、顔がほてるんですよ」
「う〜ん、じゃちょっと診察を・・・」と、一通り診察。
「やっぱりカゼですかね。少し薬を飲んでみますか?」
「いえ、くすりは飲みたくないです。自分でなおします」
「・・・あっ、そうですか。じゃあ、頑張ってください。お大事に」
こういうひと、たまにいます。僕的にはオーケーですが
なんのために受診されたのか、ちょっと悩みますけどね |
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「Sさん、そろそろ1年になるから胃の検査しましょうね」
「先生、ちょっと待ってけれす。あったがくなってから(暖かくなったら)やるす」
「レントゲンで少し気になる影があるから、おっきい病院でCTやってもらいましょう」
「んだすか、だばってもうすこしあったげぐなってからばだめだすか」
みなさんなぜか(冬の間)先延ばしにする理由に多いのがこれ
うちが別に寒いわけではありませんが(笑)冬は気持ちもちぢこまるのでしょうか
春になると気もゆるんでまた「いいや」って気になるんですけどね |
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食欲がなくてあまり食べられないというAさん、最近血色がいいので体重を計ると
「あれれ、半年で4キロも増えてますよ」
「そうですか、おいしくないけど無理して食べてるんですけどね」
「もう一週間も便が出ないんですよ」という90才のSさん
その割にはご飯も食べるし苦しくないと
診察してもお腹はぺったんこです(出たの忘れてるのかも)
言葉より「目の前の感じ」が大事ということでしょうか? |
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今年(18年)から終了時間を30分延長しました
仕事始めの1月4日は、例のごとくの大雪。結局、職員の車が出せなくなって
のびた分の30分かけて職員総出で駐車場の雪かき
患者さんも雪で病院に来れないので閑散としていました
でも、雪かきは万歩計で測ると相当歩いてますから
散歩のできない冬の間、強制的だけどいい運動なのです(汗;) |
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インフルエンザの予防接種の季節です「あの、カゼの予防注射お願いします」
これ打ったからってカゼひかなくなるわけじゃないですよ・・・
「怖いから、鳥インフルエンザの予防注射やってください」
あれはあくまで「鳥用」なんですけど(新型のワクチンはまだありません)
「例の、タフミルとかいう薬ありますか?」言うほど不足してるわけじゃないんですけどね
ちなみに「タミフル」です(タフミルのほうが効きそう(笑)
「水うがいが予防に効く」という報告が出たくらいですから基本もお忘れなく! |
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外来の血圧と自宅での血圧はえてして違うものですが
「わしの血圧計はこわれでるんだすな」 (買ったばかりなのに)
「うそっけな数字ばりでるがら、なげだす(=変な数字がでるので捨ててしまった)」
「毎回違うから、おかしい」 (それが当たり前ですけど)
「気にするのいやだから、計るのやめだす」 (少しは気にしてほしいですね)
「高いのいやだから、下がるまで計ってるす」 (それじゃああんまり意味がない)
これも「ええふりこき(=いい格好しい、見栄っ張り)」の土地柄でしょうか |
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「血圧高いですね」に対しての・・、いい訳?のかずかず
「いま歩いてきたからね」 (いつも歩くでしょうに)
「いま自転車で来たばっかりだから」 (もっと楽なはずだけど)
「今日は寒いからな」 (これからどんどん寒くなりますが)
「先生の前だとあがるんだよね」 (すいません)
「病院に来るとあがるんだよな」 (病気を作って治療する、意味深だなぁ)
「今朝くすり飲み忘れちゃって」 (いつもこれですもん)
「まさか、こんなはずはない!」 (・・・・)
べつに、責めてるつもりはないんですが、事実を認めないと治療も始まらない |
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「今日は、インフルエンザの注射お願いします」「いいですよ、
特に変わったことはないですか?」「ええ、ただ、先週倒れましてね」「倒れた!?」
「葬式に出たときに、気が遠くなって倒れたみたいで、よく覚えてないんだけど
その場にいた人が救急車呼ぼうといったんだけど、大丈夫だからって」
「それは大変だ、どうしてすぐ来なかったんです?」
「いやぁ、前にも倒れて、おまえ貧血だって言われたことがあるから同じだと思ってね」
「へえ、以前にもそんなことが?」「そう、あれは、中学生の頃だったかなあ」
「・・・・・」(Sさんはいま70歳です)
めまい、入院は日常茶飯事と思い始めているこのごろでした、トホホ |
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「風邪ひいたみたいで、寒気がして頭が痛いから仕事の途中で飛んできました」
「そうですか、それは大変だ。でもいつもの血圧と糖尿病、コレステロールのくすり
とっくに切れてるんじゃないですか?」
「実はそうなんですよ、なかなか忙しくて」「ほら、血圧は180の100もある」
「あらまあ」「ある意味風邪は自然に治るけど、みなさん飛んでくるでしょう
血圧は高くても痛くもかゆくもないから、意外とほったらかしでも平気なんですよね」
病院に来るきっかけになるから、風邪もありがたいのかなぁ |
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朝晩冷え込むようになりました、お年寄りは敏感です
「いや〜寒ぐなったすな」室温は23度ありますが冬支度の格好です
「あの暑さはどごさいったんだべな」「寒いのはいやだねェ」
夏には「暑いのはいやだねェ」でしたからね
その時々を十分に楽しんでほしいものです |
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ジョークの好きな友人と「あついよねー」「無視できない、ムシ暑さだね」
「熱帯夜で寝不足だから、もう少しゆっくりネッタイヤーってね」
「う〜ん、すこしさぶくなってきた・・・」
こういう涼み方もありでしょうか(笑) |
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「先生が新聞にかいてた『こばなし』のかんじゃって、私のことでしょう?」
「えっ、どの話かなぁ。そんなことないですよ。ヒントはあるけどね」
「そうですか、よかった。恥ずかしくて病院に来れなくなっちゃう」
「それじゃ逆効果ですね。みなさんにそれとなく気づいてほしくて書いたんだから」
『これはフィクションであり、実在の患者さんとは全く関係ありません』って
但し書きしないといけないでしょうか・・・ |
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自宅ではかると正常なのに、病院に来ると血圧が上がるかた
けっこう多いです。これを「白衣高血圧」といいます
Eさんはその逆。病院ではいい血圧ですが、むしろ家ではかると高めです
「どうしてでしょうね、ふつう家ではリラックスするから、下がるんですけどね」
「そりゃたぶん、かみさんが怖くて、緊張してるからでしょうな」
「・・・そうですか、それはお気の毒」
こういうのを「エプロン高血圧」と名付けましょうか(笑) |
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「今日は検査してもらおうと思ってきたす」「そうですか」
「だばって、朝からなんにも食べでないがら、ふらふらするす」
「あらまあ、それは大変だ」
胃カメラ終了後、「あと一時間ぐらいはご飯食べられませんよ」
「それだば具合悪ぐなるがら、点滴してくださいな」「・・・そんな」
へなちょこなのは、若者ばかりではないようで・・ |
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「しんどくて、疲れだがら注射っこおねがいします」「あらまあ、どうかしましたか」
「うん、こどもがマゴ置いていくモンだから、その世話で大変だす、3人もいるがら」
「それはしんどいでしょう。いくらかわいいマゴといってもねえ」
「目の中に入れても痛くない」といいますが毎日おんぶにだっことなると、話は別でしょう |
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「Mさんずいぶん太ったし、コレステロールもあがりましたねえ」
「まあ、たぶん疲れやすいから、元気つけなきゃと思って
いっぱいお肉とか、脂っこいもの食べたからだわ」
「そうですか、それで元気になりました?」
「いえ、からだは重いし、お腹はもたれるしでいまひとつ・・」
「そうでしょう。ビフテキ食べてスタミナつけよう、なんて一昔前の話ですよ」
「元気ないのは食べないせいだ」ともりもり食べてぐったりしている人がなんと多いことか |
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「高橋さん、うちのほかにはどこか病院にかかってますか?」
「ええ、血圧はここでみてもらってますけど、胃が悪いのでA医院に
あと眼科と皮膚科で○○病院に、腰が痛いのでB外科と
たまにおしっこが近いのでC泌尿器科に行ってますけど」
「ずいぶん多いですね。みんな薬とかくれるわけでしょう?」
「ええ、すごくおおくて飲むのたいへんだす」
「いろいろな症状は関係あることもあるし、薬ののみあわせも危険ですよ
内臓をひとつひとつ取り出してなおすんじゃなくて、からだ全体を見ていかないとね」
「へば、そういう病院あるスカ?」
「わたしがみますよ」胸を張ってそういいたいんですけどね |
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うつ傾向でひどい心配性のDさん。いつも額にしわを寄せてむずかしい顔
「たまには、笑ったらどうですか?」
「ええ、そういわれます。でも、笑いが出てこないんですよ」
「最初はわざとでも笑っていると、そのうち’板について’きますよ」
「そうですか、がんばってみます」「’がんばらない’でいいですよ」
「ははは、そうですね」「ほら、笑った!」「ホントだ、でも三日坊主で」(ガッハッハ)
「笑う門には福来たる」・・笑いは幸せを呼び寄せますね |
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「からだは大丈夫だす、ただ、眠れねぐて」「そうですか、寝つきが悪いんですか?」
「なんも、9時に寝るんだばって2時間もせば目が覚めでしまうんだす
へばあさまで眠れねくて」「へえ〜、それじゃあナポレオンよりスゴイね」(笑)
「たいがい、起きてるあいだは覚えてるけど、寝てる間は覚えてないからね
それなりに寝てるはずなんだけどね」「そんたごとねえす」
「ボクにはうらやましいけど」不眠と便秘はどうしても実感がわかない私です |
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「腰がいでくて、いつもの注射っことシップ、それに痛み止めけれす」
「大変ですね。でもたまには温泉でもつかったらいいんじゃないかなあ?」
「わしは、ああいうどごろには行がねえす」
「どうして?せっかくまわりにいっぱいあるのに。行ったことはあるのかな?」
「・・・一回もねえす」
温泉通いしている人は、病気知らずだから、病院には来ないんでしょうね、きっと |
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90近いDさんに「血糖が最近ちょっと高めだね」
すると、つきそってきたお嫁さんいわく
「もういい年だから、おばあちゃんにはあんまりうるさいこと言わずに
好きなもの食べてねって、あげてるんですよ」「そうですか、いいとしですか・・・」
若い人も「どーせ、若いんだからなに食べたって平気さ」と好きなもの食べてますからね
からだはいつになったら大事にしてもらえるのかなあ |
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