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「当社のこのおくすりもお陰さまで10周年を迎えまして、記念に
このようなパンフレットを作りましたのでどうぞ」「・・・もったいないなあ」
「はっ?」「こんな良い紙使って、フルカラーでしょ、すごく金かけてるよね」
「はあ、せっかくですので」(周年の他にネタがないからじゃないの)「はっ?」
「それだけ稼いでると言うことなんだろうね」「おかげさまで」(いずれ
ごみ箱行きなものだし、全国にばらまいたらすごいコストだよなあ)「はっ?」
「タダで送りつけられる情報誌も半分は広告だし、記事と広告の境がない」
もともと保険料から来てるんだし、その分薬価を下げてほしいものです |
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「気づいたんだけどさ、病院の電話番号って’1211’っていうのが
多いんだよな」「そういわれれば大学病院もそうだったな」「僕が思うに
『日に良い(日に日によくなる)』というゴロ合わせなんじゃないかな」
「なるほどね、きいたところによると、かつてダイヤル式の電話の時に
一番回転が少なくてすむのが’1111’で、それが使えないので
覚えやすく’1211’にしたらしいよ」「それも一理あるな、それが
ケータイやプッシュ式の時代にも残っているわけだ」「うん」
ちなみに当院の電話番号に、特に意味はありません(笑) |
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「今年の秋はいろいろと大変になりそうだね」「選挙でか?」
「それもそうだけど、インフルエンザワクチンだよ」「ワクチン?」
「通常のと新型と2種類出回り、それも供給は少ない。優先順を
なんて言うけど、自分にやってくれってみんな思うだろう?」「そうだな」
片方だけ打つのか、もれなく二つ打つのか、悩ましいだろう」「うん
ヘンな話、はやくかかったヒトがうらやましくなるね」「そうだよ」
「・・・で、オレの分はとっておいてくれるんだろうな」「・・・」 |
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「レセプトのオンライン請求の対応は君のところは進んでるかい?」
(厚労省は数年後までにすべての医院がIT化することを義務化した)
「うちはやらないよ」「やらない!?」「うん、コンピュータ化はしたけど
それを回線でつないでやりとりすることの義務化には応じないつもりだ」
「大丈夫かい」「オンラインも便利だろうから選択肢としてはいいよ
だけど、すべての医院に義務だ、というのはファッショだよ」「まあね」
「奥田舎の小さな診療所まで自腹で対応せよと言うのは傲慢の極みだ」
地デジも紅葉マークも・・いつのまにお役人はそんなにエラクなったのか
(声高に叫んでいるのが業者の元トップだからわかりやすいですけどね) |
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「最近ショックなことがあって、食欲がなくて落ち着かないんですのよ」
「ショックといいますと?」「ええ、みんなに喜寿だ喜寿だって言われて
もう私もそんな年寄りになったんだって、びっくりしてしまって」「はあ
77才で元気でおめでとう、ありがたいね、おかげさまで、ということなのに」
「この先どうしようって、そんなことばっかり考えていたら落ち込んでしまって」
「もったいないですね。歩けるし食べられるし、ボケてもないし、うらやましい」
それに、年金もきちんと受け取ってるしね(笑) |
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「でもどうしてこうメディアはみんなある方向に誘導的なんだろうね」
「大新聞も大手テレビ局も収入源は広告料で、それを一手に握るのは○○
視聴率という怪しげな武器を使って○○はテレビをコントロールできる
○○は□□□□の手先だから、それに都合のいいように管理できるのさ
□□□□に都合のいい番組、記事を流し、反対するものは簡単につぶす。
このタブーを犯したら業界では生きていけないわけだね。」「おまえが言うと
ホントに聞こえるけど」「信じる信じないは君しだいさ。みんなテレビで洗脳され
てるから誰も本気にはしないけどね」「こんな書き込みで抵抗してるわけだ」
といっても○とか□じゃなんのことやらわかりませんけどね(笑) |
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「今時の景気対策だけど、ちょっとかたよってないかい?」「えっ、どんなふうに」
「エコポイント、エコカーの補助金、LEDライトと、エコという御旗を掲げてるけどさ
みんな自動車、家電業界ばっかり。かとおもえばETC、高速道料金値下げと
環境対策に全く逆行することもする。財源は結局税金だから、体よく国民に
いろんなものを半強制的に買わせてるだけじゃない。」「いわれてみればそうだ」
「こういう政策決める委員会のメンバーが自動車、家電がらみなのはバレバレだ」
エコにも欲が絡んでくるとまた元の木阿弥なんですけどね |
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「健診でウエストだけメタボって言われちゃったよ」「そうかい、気にしなくていいよ」
「大丈夫かい?」「根拠もやり方もすごく問題がある仕組みだからね」「そうなの?」
「要はペナルティーを課して、それをネタに保険料を上げようという企みでもあるし」
「ひどいな」「そのうち(まっとうにいけば)頓挫するハズさ」「自分たちはどうなんだろ
お役人にもメタボはいるだろうけどな」
「厚労省の職員からメタボを一掃して見せたら従います」っていうのはどう?」「いいね」 |
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「今度我が社ではこの病気を啓発すべく、新聞広告を載せることになりました
この病気にかかっている患者さんは、全国で100万人いると言われ
その8割近くが、その自覚がないままに治療を受けていないと言われております」
「へえ、それじゃだめなのかな?」「はっ?」「気づいてないならいいんじゃないの」
「いえ、ですからこの病気には、当社のこのクスリが有効でありまして・・・」
「ぶっちゃけた話、そのクスリをいっぱい売りつけたいだけなんでしょう」「・・・」 |
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「外来で暴力をふるったり暴言を吐く患者がいるって言うけど、経験ある?」
「20年もやってればね。当直中に後ろから羽交い締めにされたこともある
外来でけっ飛ばされたこともある、後輩でチンピラに睡眠薬は出さないって
言い切って殴られたやつもいたなあ」「コワイね、それでどうなった?」
「警備員が取り押さえることもあるけど、けっ飛ばしたヒトは僕がされるままに
なにもしないでいたら、あとで戻ってきて土下座して謝ったけどね」「へー」
意外とヤクザの親分さんみたいなヒトに限って非常に礼儀正しいのでした |
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「今度入所したヒトはちょっと怖いんですよ」「コワイ?」「ええ
目つきもきついし、言葉も荒いし、いつ殴られるかって心配で」
「まさか」「いえ、こないだもあやうくたたかれるところでしたもの」
そんなことを聞きながら部屋に「はい、こんにちは、具合はどうですか」
「ダイジョウブデス」診察しながら、スタッフの「おびえ」を感じます
「どうですか先生」「そうやって怖がるからあっちもコワクでるんだよ」「?」
「犬みたいにこちらのおびえを感じるからかえって怖さを引き出してしまう」 |
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「窃盗係の巡査がひったくりで捕まったってさ、なんでそんなことできるんだろう」
「知ってる?脳外科の医者は脳腫瘍になりやすいって」「へー、マジで?」「うん」
「CTとか放射線を沢山浴びるからとか?」「どうだろうね、僕が思うには
毎日毎日、脳腫瘍のことばっかり考えてるからじゃないかな」「まさか」
「最近よく言うじゃない、ヒトはいつも想っているものを引き寄せるって」
「じゃあ毎日病気の心配ばっかしてるのも考え物だな」「するどいね」
「ところで、君はなにを引き寄せてるんだい?」「ほら、ごらんの通りのものさ」「・・・」 |
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医院の横の空き地には立派な大木が立っています
先日、医報の表紙に載せる写真のネタを探していて
その木の若葉と、幹にびっしりとからみついたツタの葉が
あまりにきれいなので、見上げて沢山写真を撮りました
古木なのに若々しいエネルギーに満ちた小宇宙でした
数日後、大風のあと、その木の枝は半分に刈り取られてしまいました
電線に絡んでじゃまだったようです
「最後になるから見ておいてね」そうおしえてくれたんだね |
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「タケノコ採り、山菜採りの季節だね」「そうだね、みんな山に繰り出してるようだね」
「みんなクツに鈴をつけてるのは知ってるだろう?」「うん、熊よけだろう」
「里にもクマが下りてくるんだよね、そういえば、こないだも一頭駆除されたって」
「クジョか・・・」「どうした?」「クマもイノシシも、いまどきはニホンザルもクジョされる」
「そうだね、畑を荒らすからね」「そのクジョ、っていう言い方の傲慢さがガマンならんね
害虫とか雑草とか危険動物って、しょせんはひとさまの都合だろう」「まあね」
そんなこと繰り返してると、そのうち地球上からニンゲンがクジョされますよ |
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「あのう、ここの胃のところにしこりを見つけたんですけど」「どれですか?」
「ここです、ほら、出っ張ってるし、硬いけど少し動くんですよ」「はは〜ん」
「なんでしょうか?心配で」「大丈夫ですよ。これは剣状突起といって
誰にでもあります。」「そうなんですか、なんで今まで気づかなかったんだろう」
「胸骨という骨の下にくっついてるんですが、中年になってお腹が出てくると
肝臓やら内臓に押されて目立つようになるんでしょうね」「そうなんだ安心した
悪いモンじゃないかと思って、しばらく眠れなかったくらいで、ヨカッタ〜」
こういう簡単な(失礼)ことで解決して喜んでもらえると、すごく嬉しいですね |
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「いまだに詐欺にだまされる人がいるからね、おばあちゃんも気をつけてね」
「ああ、わだしだば大丈夫だす。そういえばこのあいだテレビでやってだな。
オレオレ詐欺にあわないための5ケ条とかいったな。」「へえ〜、どういうの」
「えーと、まずかしらもじで覚えるんだ。なんだっけかな、サシスセソかな?」
「それは調味料でしょう(笑)」「えーと、なんだっけがな」「まずいいけど
覚えやすくするはずの頭文字も、こじつけすぎで思い出せないんじゃね」
それだけ反応がにぶいと、犯人もあきらめるだろうけどね |
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「ふとおもったんだけどさ」「なに?」「胃ガン、大腸ガン、肺ガン、肝臓ガンだろう
なんで、脳だけ脳腫瘍で、脳ガンって言わないんだろう?」「それは・・・えっとー」
「ほらな」「悪性も良性もあって、一概にガンと決められないからかな」「それは
他も同じだろう」「そうだな、あっわかった!胃ガンは英語でGastric cancerだけど
Brain tumorは訳すと脳腫瘍だもん。原語がちがうんだよ」「じゃあそれはなんで?」
「そんなヘンなことで悩むなんて、脳に腫瘍でもあるんじゃないのか?」「オイオイ」 |
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「・・・と、いろいろしんどくてもうダメなんですよ」「そうですか、大変ですねエ。
何か思い当たるきっかけは?」「・・人間関係ですね、近所にいやな人がいて
2回も引っ越しました」「でもおそらく、そのうちまたいやな人が現れるんでしょう?」
「えっ、そうなんです、なんでわかるんですか」「近所の人が原因じゃなくて
人が自分に意地悪する、陰口を言う、というあなたの想い、が原因だからです」
「・・」「その想いに気づいて放置できれば、不思議といやな人もいなくなりますよ」
地球の果てまで旅行しても、姿を変えても、年をとっても「自分」とは離れられない
だったら・・・ |
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「選挙が近づくと、いろんなことが起こるね」「というと?」
「どっかの国がミサイルとばしてきたり、得体の知れないウイルスがはやったり・・」
「それが選挙とどんな関係があるんだい」「こういう危機管理が大事な局面になると
与党の支持率が上がるというのは聞いたことがあるだろう」「まあね」
「どうもうさんくさいなあ」「まさか、そこまで演出できないだろう?」「そうかな」
「陰謀説もいいけど、そこまで性格がねじくれチマったら・・おっと、失礼」
「世界が一つにまとまるいいチャンスだろう」「おまえは究極のポジティブ野郎だよ」 |
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「新型インフルで大騒ぎだね」「そうだね、まったく騒ぎすぎだと思うけど」
「そうかね、そういえば、マスクしないで大丈夫?」「まあ、普通のマスクじゃ
ウイルスはすり抜けてしまうし、いまそれすら品切れだからね、まったく」
「ヘンだと感じないか?鳥インフルだとニワトリがバタバタ死ぬのに
豚がトン死したという話は聞かない」「しゃれか?」「メディアがあおるから
おかげでマスク、タミフル、検査キットは大もうけ、TV新聞も視聴率アップ」
「また君の好きな陰謀説ってワケか?」「絶対ヘンだよ、ぶつぶつ・・」
はやくかかって、免疫を獲得したいと思う僕は変人でしょうか? |
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「うちのおばあちゃんこの間ころんで骨を折って、入院してたんですよ」
「そうですか、それは大変でしたね」「ええ、でも手術もうまくいって退院してきました。
それはいいんですが・・・」「が?」
「入院中、夜ねないで騒ぐのでと、睡眠薬を飲まされて、トイレいけないからって
おしっこの管を入れられて、寝かされてばかりいたので歩けなくなってしまって・・」
「(よくあるパターンですけど)・・・」「元気だったのが寝たきりになって帰ってきました」
じゃあこれからじっくりリハビリですね・・・やれやれ |
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「かぜひいてしまって」「ええ」「いっぱい食べて治そうと思ったんですが」
「・・・・」「太るばっかりで治らないんですのよ」「そりゃそうでしょうねェ」
「やっぱり注射してもらわないと治らないので来ました」「それもどうかなあ
えさを半分にしたネズミと、食べたい放題のネズミと、どっちが長生きすると
思います?」「食べない方だというのは聞いたことがあるんですけどね・・」
まあ、そんなに食欲があるんだったらどっちにしろそのうち治りますけどね |
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「先生にお聞きしたいんですが」と営業さん「高血圧の患者さんに
どのようにこの種の降圧薬を使いわけてますか?」「アバウトすぎる」
「?」「床屋さんに、どんな風に髪を切ってますか、と聞くようなもので
『その人にあわせて』としかいいよがないでしょう。治療も同じで
高血圧の人でも年齢・性・合併症・体型・食事・性格、みんな違うし
それにあわせて選択するでしょう。説明したら半日かかるよ、聞く?!
それに製○会社の関与が大きいガイドラインは厳しくなるばかり・・・
聞きたいこと、宣伝したいことを百も承知でイジメテます(笑) |
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「今度の検査で気になったのは、カリウムが高いんですよ」「かりうむ?」
「ええ、めったにあがらないんですが、あなたは少し腎臓が悪いので
あがりやすいのかもしれません。とりあえず影響しそうなクスリを休みます
あと、食べ物、特になまものを控えてください」「なまものですか」「ええ
たとえば果物や生の野菜、魚も生の刺身なんかですね」「・・・じゃあ
バナナなんかもダメですか」「バナナは特にカリウムが多い果物ですね」
「いや、ここんとこバナナダイエットがいいと言うんで、毎朝食べてました」
「ひえー、でもやせてませんけど、まさか食事は」「普通に食べてました」
何かを売ろう、というダイエットを仕掛けてきます。「食べものをへらす」
という王道は、商売として成立しませんからね、言うのは医者くらい? |
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「今朝からカゼ気味で、カラダがだるくて仕方ないんです」「熱もありますね」
「ええ、とりあえず、スタミナドリンクのんで、気合い入れようと持ったんですが
しんどくてきました」「まあ、お気持ちはわかりますが、ああいうのも善し悪しでネ
やせ馬にむち打つようなもので、カフェイン、タンニン、糖、少しのアルコールで
そのとき元気になったようでも、あとで反動でかえってしんどくなったりしますよ」
毎日習慣にしているお年寄りも多くて、値も張るし、たいそうな市場ですね |
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「おとといからこの子熱を出しまして、39.2度まで上がったので坐薬をさしました
朝には36.4度になりましたが夕方また38.5度になったのでまた坐薬をさし
今朝は37.2度でした。今また熱が上がってきて、坐薬が切れたので来ました」
「・・・そうですか、たいへんだったね。症状はどんなですか?」「特にないですね」
「だいじょうぶなの?」「ハイ」「じゃあ、冷やしてあげて、水分とビタミンを十分とって」
「坐薬はもらえますか?」「出しますが、体はウイルスをやっつけたりいろんな意味で
熱を出しています。だから、熱を下げるのと治ったのは別で、ムリに下げていると
かえって敵に加勢することになります。本人が耐えられれば最小限にしてください」
残念ながら、周りの親が安心したいために下げているだけのことが多いですね・・ |
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「でもなんだね、インフルエンザって言うのはいろいろと教えてくれるね」「というと」
「ワクチンが効くか、うつか打たないかで悩む。かかったら、カゼかどうかで悩む。
検査するかしないか。わかったら今度はクスリを飲むか飲まないかで悩む。
飲んだら、ヘンな症状はクスリの副作用かインフルエンザの症状か、わからない。
エライお金をかけて、クスリを備蓄なんかし始めると、効かないよ、とうそぶく」
「なんだか、感心してるみたいだね、それだけやっかいな病気と言うことだろう」
「ボクには神様からのメッセージのようにも思えるんだ」「ヘンな信心だこと」 |
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「おかげさまでこの子、熱は下がったんですが、セキがまだ少し出ます」
「そうですか、よかったね。もう少しクスリ出しますか」「ええ、それとですね
学校から『インフルエンザですか?』ってきかれたんですけど、どうでしょう」
「そうねえ、検査してないから何ともいえないけど、軽いから違うんじゃない」
「検査お願いできますか」「よくなってるのに検査というのもナンセンスだなあ」
「でも、学校になんと言ったら・・」「わかりません、じゃだめ?」「え”〜〜」
「よーし、じゃあ私が全責任を持って断言しますよ、インフルエンザではありません!!」
迅速検査も「特効薬」も、なにもなかった時代がなつかしい |
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「毎日雪かきでくたびれたす。もうゆぎだばたくさんだ。ふらねくていい」
「でもね、ケチつけるワケじゃないけど(つけてるけど)、雪がなかったら
どうなると思う?雪は地面を覆って木々の根や種が凍るのから守ってる
春になれば雪解け水が野や川に流れて、田んぼをうるおしたり飲み水になる
暖冬のとき夏に水不足で大変だったのを覚えてるでしょう?」「んだばって・・」
「それに、雪がなかったらスキー場やかまくらや観光地はどうだろうね
「・・・」「ボクには雪がとってもありがたい物におもえるんだけどなあ」
いつも「おまえは究極のポジティブ野郎だよ」といわれたい(笑) |
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「いまのところ内視鏡に不具合はないですか?」「ええ、順調ですよ」
「でも、すごいですね、あのランプ、まだ使えるんですね」「そうですよ
1年以上前に『使用期限を過ぎてますから、交換が必要です』って言われたけど
ぜんぜん暗くないし、問題ないですからって使い続けてますよ、値段も高いしね」
「でも、急に切れたらどうします?」「それはそのときで、患者さんに説明して
ゴメンナサイって謝って、それから交換すればいいでしょう?」「そうですか」
食べ物の賞味期限も同じで、各自がもっと’ハナ’を効かせれば無駄がへります |
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「学校でインフルエンザがはやってて、この子も昨日の夜からセキし始めて」
「そうですか、どれどれ、熱も高いし症状からすれば可能性は高いですね」
「インフルエンザですか?」「検査しないと断言はできませんけどね。でも
10代だし食欲もあるようだからタミフルの適応はないと思いますが・・・」
「じゃあ、検査してください!」「はい、いいですよ」「この子今まで皆勤賞で
インフルエンザだったら病欠扱いになるんですよ」「・・・そうですか
でも普通のカゼならダメというのもずいぶんと厳しいですなあ」
インフルエンザだけ特別扱いです、マスコミも不安をあおりすぎですね |
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「昨日から熱が出て、インフルエンザだったら大変だからきました」
「熱は下がってますね、症状もあまりないようで・・」「はい、汗かいたので
でも、インフルエンザだったら会社のみんなにうつしたら大変だとおもって」
「じゃあ、検査しないといけないですね」・・・「インフルエンザは陰性でしたよ」
「そうですか、よかった〜」「でもですね、普通のカゼだってうつるわけですから
きちんとうがい、手洗い、マスクをして、可能な限り仕事は休んでくださいよ」
「カゼなのに頑張ってるな〜」より今は「カゼなら近寄らないで」ですよね |
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「胃の調子が悪いので、検査してもらいに来ました」「そうですか
じゃあ、胃の透視はこの間やったばかりだから、今日は胃カメラにしましょう」
「えっ、だいじょうぶでしょうか?わたしにできるでしょうか?」「大丈夫」
「ゲーてなったらどうしましょう。飲めなかったらどうしましょう、こまったな」
「まな板の上のコイみたいに、なにも考えないことです(笑)」
・・・終了後「ほらね、ラクだったでしょ」「はい」
「ヘタの考え休むに似たり」ともいいますが、あれこれ考えるとしんどくなる |
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「せんせい、きょうは胃カメラをしてもらいに来ました」「あれっ、きのう来て
一通り検査してくださいって、でも胃カメラは、もっと暖かくなってからって(笑)
そういってたんじゃないのかな?」「ええ、でも、のどが詰まる感じがして
そうしたら、先生が、だったら胃も検査した方がいいんじゃないのって言って・・」
「うん、そういったね」「家に帰ってから、急に心配になってきて
夜中一睡もできなかったんですよ」「・・・そうですか、じゃあすぐやりましょう」
そのひとことで病人をつくってしまう、医者は責任重大です
(ひとことで病人を癒すこともできますが) |
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「もう、からだじゅうがかゆくて、たまらんのですわ」「どれどれ、
あ〜、皮膚がカサカサですもんね、かゆいでしょうな」「なんとかしてけれす」
「寝るときに電気毛布使ってませんか?」「使ってるすよ、ひえるがらな」
「あれは、いってみれば電子レンジに入ってるようなモンですからね
はだはパリパリになって、静電気も起きるしそれでかゆくなるんですよ」
「んだばって寒いしな」「寝入りばなだけにして、夜中つけないとか
いまはまた湯たんぽが見直されてますからね、あれもいいですよ、エコだし」
寒くて眠れないのと、かゆくて眠れないのと、どっちもどっち!? |
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「今度からあそこの外来はトリアージを導入しますって新聞に載ってましたね」
「はいはい」「あれってどういうことですか?」「野戦病院や救急で大事なことで
病状の重傷度に応じて、優先順位を決めて治療すると言うことなんです」「??」
「具合悪いけど自分の順番までガマンして待ってください、じゃなくて
重症の人からはやく診ますよ、ということです」「当たり前のような気がしますが」
「そうですけど、この重症度を評価するというのがけっこうむずかしいんですね」
「とりあえーず」決めるので「トリアージ」っていうんです、というのはジョークです |
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「日曜日の夜、急に具合が悪くなって救急に行ったんですよ」
「そうですか、大変でしたね」「ええ、でも一日分しかお薬をくれなくて
明日必ずかかりつけのところか、普通の外来に来てくださいって・・」
「まあ、応急的な対応ですから仕方ないんですけどね
(『時間外でかかるのはあくまで例外なんですよー、癖にしないでね』
という患者教育的な意味があるんだと先輩からは聞かされましたが)
仕事休めない人もいるし、その辺は臨機応変にありたいですよね」
自分の心の「懲罰的な」動機に気がついてからは、感冒くらいなら
(といってもせいぜい3日ですが)私は普通に処方するようになりました |
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「日曜日に、急患センターの日直があたったんだけど」「ええ、どうだった?」
「連休だったのもあるけど、胃腸炎やらインフルエンザで、待合室が一杯」
「へえ〜そりゃ大変だったね」「はっきりいって、平日のうちの外来より混んでたね」
「・・・・ビミョーだね」「それで思い出したんだけどね、大学の教授外来を」
「うん」「めちゃめちゃ混んでるんだけど、週に一回銀行の診察室のバイトがあって」
「教授もするんだ」「長年のつきあいだろうね。それがまたエライ患者さんの数でね」
「普通はカゼ引きくらいだから、体を休める時間になることが多いんだけどね」
かえって大変なので、冗談に「外付けハードですね」といったら大受けしました(笑) |
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新しくできたインド料理屋さん、ネパール人のご夫婦だそう
「イラシャイマセー」「このランチお願いします」「カラサハドウシマスカ?」
「一番辛くないので」「ハイ、ワカリマシタ」
カワイイなあなんて食べてると、心配そうに寄ってきます
「カラクナイデスカ?ダイジョウブデスカ?」「ええ、おいしいですよ」「ヨカタ」
さらには「ショクゴニコーヒーサービスシマスヨ」「ありがとう、いただきます」
寒い日には身も心もあったかくなるこんなランチが良いですね |
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予防注射は初めてという1歳の男の子
「は〜い、ちょっとチクッとするよ、ポチットナ〜(古)」「・・・」
「えらいね、なかないね、すごいね」「なんにもいたくなかった」
6才のお兄ちゃん、暴れてます「いやだ〜、ちゅうしゃいやだ
いたいのいやだ〜」お母さんと看護婦3人で押さえつけています!
(まるでプロレス技)「動くとあぶないゾー、かえっていたいよ」ブチッ!
「ギャー、イテテテ(号泣)」
痛みよりも恐怖に問題があるわけで、こうしてトラウマは育っていく? |
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「はじめまして、よろしくおねがいします」そういって入ってこられたのは
長年通っている90すぎのおばあちゃんです、今は施設に通っています
「こちらこそよろしくおねがいします(笑)、どうですか、おぐあいは?」
「ええ、カラダの方は大丈夫なんですけど(ボケの方がねえ・・・)」と娘さん
「まあいいじゃないですか、お元気そうで何より」「ありがとうございます」
長年の恨み辛みもすべて忘却したようで、とてもスッキリとすんだ瞳です |
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「あのう、ヒザが悪いっていったら、友達がこれを勧めてくれたんです」
「ははーん、いまはやりのコラー○ンとかヒア○ロン酸というやつですな」
「飲んでも良いですか?」「ダメとは言いませんけど、高価ですよね」「ええ」
「非常に吸収の悪い成分ですから、そのまま身につくわけではありませんよ」
『低下する、不足する、病気になる』とおどかされてサプリを入れすぎると
からだが自製する力を奪うので、補給されないとすぐに対応できなくなります
もともと自給自足できるのに輸入に頼って(頼らされて)弱体化した国のようです |
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「また厚○省からのアンケート調査です」「うわっ、そんなに分厚いの!?」
(このあいだ医○会の患者減少の?調査えんえんとかいたばかりなのに・・)
「診察に5分以上かけないと点数を減らす」「高齢者の入院のうちかなりは
医療を必要としない」とか、紙資料と机上の議論でいじくりまわしたあげく
「事務作業が増えている」ことを調べるのにアンケートするような仕事ぶり
時々「事件は現場で起きてるんだー!!」と叫びたくなりますネ |
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「おっとー、どうしたの急ブレーキふんで」「ゴメンネ〜、だって
信号が急に変わったから」「急にって(黄色とばして赤になるわけないし
その前に歩行者用の信号が点滅してたのも見えてたハズだし・・)」
「なに?」「いや、べつに。気をつけてね・・・」(ボーと考え事してて
赤信号に”急に”気づいた、ということでしょう、じっさい)
夕方「子どもが急に熱出して」というのも同じしくみが多いような・・・ |
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「最近、こばなしのネタが、外来を離れてるんじゃないのかい?」
「そんなことないよ。往診の行き帰りも外来だし、がいらいには
農家の人、サラリーマン、先生や弁護士さんも、いろんな人が来る
いわば、社会をのぞく一つの窓みたいなもんだからね」「そうか
ネタがなくなってきたのかと思ったよ」(ドキッ)「それで、君の
’社会の窓’も全開というわけだね」「えっ、ホントだ、こりゃ失礼」
でも、なんで「社会の窓」なんでしょうね(だれか質問してるんだろうな) |
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「不景気だっていうのに、あそこの駐車場はいつも一杯だね」
「そうですね、田舎はほかに娯楽がないからでしょうか」「どうかな
広告も増えたし、この市場は底知れないってきいたことがあるけど」
「へえ〜そんなにですか」「主婦ではまってる人も多いみたいだね」
「借金苦で見せしめに中で自殺する人もいるけど、表に出ないんだって
コワイ話を聞いたことがあります」「ほんと、ブラックボックスだね」
秋田県の自殺率ワースト1にからんでると、私はにらんでるんですけどね |
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「うちはタバコ販売してたんですが、もうやめました」「そうですか」
「例のタスポができて、自動販売機も売れないし・・」「みんな
コンビニで買うんでしょうね」「そうです、だから、もうやめました」
「喫煙で’補導’された中高生のほとんどがコンビニで買ってて
年齢も聞かれないし、聞かれても『はたちです』でパスですからね」
そのうえ「たばこ税増税絶対反対!」で、それが通ってしまうし・・
だれかにあやつられていないか、シカと見極めないとネ |
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「ゴホン、ゴホン」「くしゅん、くしゅん」「ヘックション」「エ”ヘン」
(おや、きょうはずいぶんとカゼひきさんが多いみたいだなあ)
あれっ、患者さんじゃないのか・・・(苦笑)
そこで一句
「患者より 看護婦多い 内科医院」
・・・うーん、ちょっと(かなり)さびしいですねエ
そこでひとひねり「患者より 看護婦多い いいんでないか」やれやれ |
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「あら、しばらくぶりですね」「ええ、今日はカゼできました」
「そうですか、このあいだは、あんだけおなかが痛いって
ヘンな病気じゃないかって心配していろいろ検査しましたけどねえ」
「そんなこともありましたねえ」「・・・まっ、いいんですけどね」
「便りがないのは良い便り」といいますが、ちょっと「たよりない」なあ |
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「せんせい、休み中にめまいがおこったらどうしましょう?」
「そのときはそのときですから、急患センターに行くなり、ひどければ
救急車を呼ぶしかないでしょう」「そんなあ、、、だいじょうぶですかね」
「保証はできませんけど、今から考えたからってどうなるわけでもないし」
・・そういう人に限って、一月後にケロッとして受診されるんですけどね
私の経験では、最悪の予想が的中するのは100回に1回もありません
(ただし不安にかられるほど的中率は上がります!) |
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「余計な健康食品や運動器具を使わないダイエットは
とってもエコなんですよ」「そうなんですか?」
「ええ、食費がへる、ゴミもへる、料理に使う燃料費もへる
だからCO2排出量もへる、そのうえ体重もへる、病気のリスクもへる」
「まあ、そうですけど、わかっちゃいるけどなんとやらで・・」
ハラもへる(笑)けど、そのうちになれます
食糧危機に備えて、燃費のいいカラダにしていきましょう! |
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「うちのこ学校で肥満だって言われて、病院に行くように言われたんです」
「そうですか、ちょっとぽっちゃりしてるけどね、1%ひっかかっただけだし
糖尿もないのでまず問題ないでしょう。運動してバランスよく食べてね・・」
北海道や北東北は肥満児の割合が多いという指摘もあります
冬の間の運動不足が原因だと。たしかに一理ありますが、育ち盛りに
ダイエットはないでしょう。北国では寒さに対して皮下脂肪をたくわえるので
南国と単純に比較すること自体、ムリがあります
親が同じ体型(!)の場合は、むしろ家庭の食事に問題があるようですが・・ |
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「体重増えてきましたねえ、運動何かしてますか?」
「ええ、まえは散歩してたんですけど、ぜんぜん体重が減らないから
やめてしまいました」「そうですか、体重減らすのを目標にしちゃいけませんね」
「えっ!?」「さんぽがからだに良いのは異論がないわけで、体重減らなくても
脂肪が筋肉に置き換わってるかもしれないでしょう?」「そうですけど」
日差しを浴びてさわやかな外気に当たってカラダを動かす心地よさ
・・・それに気がつけば、サンポしないのがもったいなくなるでしょうしね |
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秋田では、田んぼを前におばあちゃんがなげいています
「若い人が手伝ってくれれば、この田んぼをつぶさなくてもすむんだけんどなあ」
都会では、仕事のない若者が炊き出しに並んでいます
「働き口があって、毎日お米だけでも食べれれば、なんとかなるんだけどなあ」
日本中の田んぼをもとにもどして、みんなでお米を作って、配ればいい
「それじゃあ喰ってけない」「なら、食べていけるシステムに帰ればいい」
・・未来希望図は、あんがいとシンプルです |
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「ひどい下痢で、おなかが痛くて、吐き気もするんです」「大変ですね、
熱もあるようですから今はやりの胃腸炎のようですね」「そうですか」
「ご飯は食べられないでしょうね」「ええ、でも食べないとなおらないと思って
ムリして食べてるんです。」「下痢がひどい間は、食べない方が良いですよ。
水分だけとっていれば」「大丈夫でしょうか?」
「体は、腸の中のウイルスや毒を外に出そうとして一生懸命なんです。
そこに食べ物を送り込んだら、仕事を増やしてじゃますることになります」
ホントは下痢止めすら必要ないんですが、すると医者もいらなくなる(!) |
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予防接種をしていると、いろんな子どもさんがいて楽しませてくれます
「一番小さい注射にしてください」「はい、これは一番小さいです」
「3秒でお願いします」「はい、いちー、にー、さんっと」
「ボクはなきましぇーん」「(どこかで聞いたセリフだな)」
(注射の途中で)「もういいです!」「それはムリですよ」
「えーと、ちょと、ちょっと待ってください。」「待てません」
「えっ、もう終わったの?ハヤー」「なんなら、もう一回しようか?」
ややこしい大人の中で、子どもは清涼剤のようです(失礼) |
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「せながけくて(背中がかゆいので)みでけれす」「はあ〜ん、カサカサですね」
「冬になって電気毛布使ったりするせいもあって、乾燥してるんだね
しっとりさせる軟膏でも出しましょうか、って、いつも出してるじゃない!」
「んだばって、ぬってけるひといねえもん(塗ってくれる人がいないんだ)」
「・・・・」
’軟膏’の問題じゃなく家庭環境の’難航’ですね、なにをつけたらいいんでしょう |
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「あそこの外来は混み合ってるので、私みたいなのは近くの診療所に
行ってくれって、言われたんです」「そうですか(ようこそ)
事情を詳しく説明する時間すらないので、そんな印象になってしまうんでしょうが
急性期を過ぎて、安定して、コレステロールのクスリだけ飲んでいる方が
半日も病院にかけるのはもったいないということなんですよ」「はあ」
「たとえば、レジが長蛇の列なのに、前の人が缶コーヒー1本だけだったら
どう感じますか?」「近くのコンビニか自動販売機で買えばいいのにっ、て」
「その感じです」
おまけに、そのスーパーの方が値段が高かったら!? |
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「・・というわけで、あそこの病院に通うのも大変になってきたので
こちらでおくすりもらえないでしょうか?」
「そういうご事情でしたら仕方ないですが、ちなみに紹介状みたいなものは・・」
「いえ、もらってません。なんだか都合悪くて・・」「お気持ちはわかります
が、紹介状がないとソンするのはご自分なんですよ。」「はあ?」
「たとえば、就職するときに履歴書を持たないで雇ってくれと言うようなもので
今までどんな仕事をして、こういう特技や、資格を持っています、というのを
なにも言わないでいるようなものです」「・・・」
うちに来ていただいたのを素直に喜べないソンな体質です |
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「インフルエンザの予防注射をおねがいしたいんだす」
「いいですよ、じゃあ、まず、予診票というのを書いていただきますね」
「ヘイ・・・メンエキフゼンと言われたことがありますかって、これなんだべ」
「これはですね、かくかくしかじか」「んだすか、よぐわがんねえばって
・・・ケツエキシッカンなどのマンセイシッカンに???これなんだすか」
「あのですね、まずあなたは大丈夫ですよ」
これが「高齢者用」だというのですからネ |
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「あのう、今日はおくすりを3ヶ月分もらうことはできませんか?」
「そんなにですか、かまいませんけど、どこかに出かけるんですか?」
「ええ、娘のところにしばらく帰ることにしたんですが・・娘が
『新型インフルエンザが流行したらしばらく家から出られなくなるから』って
クスリを多めにもらってくるようにっていうんです」「!!!!・・でも、もし
・・まあ、どんな『もしも』も、同じですね」
「じゃあ病院に近づかないのが一番ですから、すぐにかえってね!」 |
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「血圧は毎日測ってるんですけど、手帳に書くのがめんどうで
だから、書いてないんです。」「そうですか、ちなみにどのくらいですか?」
「え〜と、今朝は140の80かな、そのまえは・・・」
「こうやって思い出すのも面倒くさいですね(笑)」
食事でハシを使って食べ物を口に運ぶのは、面倒じゃないんだろうな・・ |
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(自動血圧計で血圧を測りながら)「えーと、この間の血液検査ですね」
「はい、どうでした?」「まずほとんど問題ないですね。ちなみに今回は
腫瘍マーカーというものも測りました。この数値は、たとえば肺ガンや・・」
「あれっ、こんなに血圧高いの!?ヘンだなあ、くすりのんできたのになあ」
「この数値はですね・・・」「この血圧大丈夫ですか?」
「だいじょうぶです、ではクスリをもらってお帰りください」
あとで看護婦に「先生、なんかいってたけど、あれ、なにっ?」となる |
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「はい腕をまくって動かないで横を向いてだらんとして力を抜いて
チクッとしますからね軽くモンでくださいしばらく休んでください」
「・・・えっ、えっと〜、どうすればいいんだっけ?」「???」
「だいじょうぶ、もう注射は終わってますから(笑)」
情報が多すぎると肝心の大事なものに気がつかない
うちの待合室にポスターが張っていないのは、そのためです |
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「おなかくだしちゃって、大変なんです」「それはしんどいですね
何か変わったものでも食べたんですか?」「そうですね、そういえば
冷蔵庫に残っていた牛乳、少し古かったんですけど、もったいないと思って
全部飲んじゃったのがいけなかったかしら」「おそらくそれですね」
捨てても、口に入れても、他の人には回りませんから同じことで・・
下痢して余計に衰弱したぶん、ソンでしょうねきっと |
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「まだカゼが治らないんですよ、セキが止まらないんです」
「そうですか、ずいぶん長いですね、ムリしてるんじゃないですか?」
「いいえ、ぜんぜん、ふだんとかわりませんけど」「といっても
ずうっと家で寝ているワケじゃないでしょう?」
「ええ、昼間はスーパーで働いて、よるはお店やってますけど」「・・・」
かといって「じゃあ、休んで」ともいえないので、やはり二の句は継げない |
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PPKは「寝たきりなんかにならないで(迷惑かけないで)ポックリ逝きたい」
という願望の言葉ですネ(誰が言い出したか知りませんが)
「で、このヒザが腫れていたくてしょうがないから、水抜いてもらえねべが?」
「うちは内科だからちょっとムリですよ」「そうかね、しかたないね
じゃあインフルエンザの予防注射はやってもらえるベガ?」「いいですよ」
「わたしゃ、もうポックリいきたいと思ってるんだけどねえ」「そうですか・・」
・・と、なんだかんだ病院通いしている人が言うと、ちょっと説得力に欠ける?! |
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「またいつもの風邪薬ください」「えっ、もうこれで4回目くらいですよ、クスリ出すの。
また同じようにセキがひどいんですか?」
「まあ、少しね。でも、私タバコ吸うし、心配だから飲みたいんです」
「勘違いしてるようですけど、ガンが心配だから咳止めや抗生剤飲んだからって
ガンにならないワケじゃないですよ!」「そうですか、・・・じゃあ、いいです」
っていうか、まず、タバコをやめるのが先だと思うんですけどね・・・ |
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「せんせい、きょうはずいぶん血圧が高いんですよ」
「そうですね、寒くなってきましたからね、少し注意して様子みましょうね」
「いえ、心配なので、クスリを増やしてください!」「そうお、じゃあ少し強くしてみますか」
そして一ヶ月後の診察
「どうですか、血圧は?」「はい、これ血圧手帳です」「まあ、少し下がったかなあ・・
・・でもね」「はい」「週に一回しか測ってませんけど」「ええ、だめですか?」
だめじゃないですけど、ホントに心配なら毎日測ると思うんですけどねえ・・ |
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研修病院で一緒だった後輩から聞かれたことがあります
「先生はここの病院で誰が’名医’だと思いますか?」
「そうだなあ、それぞれ専門がちがうしなあ・・・」
「わたしは、○○先生ですね」「そう、まあね、でもどうして?」
「自分がもし病気になったときに、主治医になってもらいたいのはだれか?
って想像してみるんです。それで、最初に思い浮かぶのが○○先生なんです」
「なるほどね」
医者が自分の主治医に推薦できる人が名医でしょうね。じぶんは・・・!? |
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「じゃあ血液検査しますね」「はい、あれっ、そんなに何本もとるのっ?」
「ええ、貧血検査と、肝機能とかコレステロール、あと糖尿病ですね」
「そんなにとったんじゃ、ぎゃくにひんけつになっちまうんじゃない?」
「大丈夫ですよ(笑)、せいぜい10ccくらいですよ。あなたの体格なら
5〜6リットルくらい血液があるので、その1%にもなりませんから」
そういえば教授が冗談めかして言っていました「研修医が毎日のように
血液検査をするから、長期入院患者さんは徐々に貧血になるんですよ
これを『採血性貧血』といいます」って |
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「胃カメラをしてもらいたいんですけど」「はい、いいですよ」
「それで、なんか鼻から入れるのがラクだって聞いたんですが、やってますか?」
「いえ、うちはやってないですね。のどからでもそんなにつらくはないですよ」
「そうですか、どうしようかな」(あれも一本いくらするかごぞんじないでしょうねえ・・)
「はいっ?」(ボクの友人は「経鼻は下手な医者がやるんで、オレはラクにできるって
腕に自信があるから、普通の内視鏡でもぜんぜん平気だよ」っていってたけどなあ)
「じゃあ、せっかくだからやってください!」「はい、喜んで!!」
ちなみに経鼻が向いている職業は?・・・それは警備員(けいび、良いん)、ふ〜 |
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「うちのおばあちゃん、最近腰が痛い痛いっていうので、外科に連れて行きました」
「そうですか、それはたいへんでした」「ええ、検査してクスリもらって・・・」「はい」
「そしたら、いままであんなに胃が悪い、おなかの調子が悪いっていってたのが
ぜんぜん言わなくなったんですよ」「そうですか、それはよかった」「?」
「お気づきでしょうけど、無意識に病気や症状を訴えることで自己主張するような
かたがおられますね」「はあ」「何か一つのことに集中すると他は忘れてしまう」
「そんなもんでしょうか」「まあよくなったのならそれはそれで良いわけですし」
「○○は大丈夫?痛くない?」と毎日たずねるのもそういう意味では善し悪しかも・・ |
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293.「できない」ことと「できること」どっちが多い? |
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「せんせい、わだしはもうトシで、ヒザがわるくて、もうどもなんねえス
ホント、どうもなんね、どうしようもねえ、ぶつぶつ・・」「そうだねえ、
でもね、ご飯は自分で食べれるでしょう?「ハイ」「耳は聞こえるでしょう?」「まずな」
「夜も眠れるし、一人でお風呂に入れる」「はあ」「60で寝たきりの人もいるんだから」
「んだすばって・・・ぶつぶつ」
「なにしろありがたいっスな」という気持ちが出てくれば、ありがたいです |
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「暑い夏の盛りにクールビズと称してネクタイを外してたらね」「うん」
「らくなのでついくせになって、長袖の今でもネクタイなしになっちゃったんだ」
「そりゃそうだね」「今までは患者さんへの礼儀、と思っていたんだけど」
「まあね」「ラフなのもかえって気さくでいいかも、と思いはじめてるんだ」
「そりゃ、言い訳だね」「それで良いワケだね」「しつこい!!」
クールビズならぬ、ルーズビズですね(自分には甘くなる) |
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「血圧高いですけど、今朝クスリは飲みましたか?」
「ええ、でも、たったいまのんだばっかりなので」「へえ〜遅いですね」
「ほら、仕事定年でやめてから、夜遅くて朝起きるのが遅くなってネ」
「うらやましい、ってところでしょうけど、やはり早起き早寝ですよ」「まあね」
「マゴさん、子供さんにもいうでしょう?」「・・・」
ラクはラクでも、そういうのはジダラク(自堕落)といいます! |
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「しかしよく小話が続くね」「そうだね、これが楽しみだっていってくださるヒトもいるし」
「へえ〜」「それに、大いに笑うと糖尿の人は血糖が下がる、血圧も下がる
リウマチの方は痛みが軽くなる、ついにはガンまで治ったって言う報告もあるんだよ」
「マジかね」「うん、だからこのコーナーがいちばんカラダにいいのかもしれないよ」
「・・・って、それ自画自賛してるんじゃないの!」すいません、全部自作自演ですから |
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「ちょっとカゼ気味で、のどが痛いので市販のクスリを飲んでいました」
「そうですか、じゃあ、いつもの他に風邪薬もお出ししておきましょうか?」
「いいですか、熱もないのに、これぐらいの症状でクスリだしてもらえるか
なんだか申し訳なくて・・」「申し訳ない?!」(誰に申し訳ないんだろう?
ボクにかな?厚労省かな?あるいは納税者にかな?んなわけないよな・・)
「どうしましたか?またこばなしのネタでも考えてるんですか?」「え”っ!」 |
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「・・・ですから、このクスリは病気のリスクを33%も下げるんです」
「そうか、そりゃすごいね。でもよ〜く考えるとね」「はい」
「コレステロールが高いヒトが100人いるとして
そのうち生涯の間に心臓病になる人が3人いる。全員がこのクスリを飲んで
その3人が一人減って2人になるといってもいいわけで・・」「・・・そう、ですね」
「その一人になるかどうかはよくわからない、副作用もあり得るし・・」「ですが」
「・・・てなことかんがえると、ビミョーだね」「なんだか自信がなくなってきました」
クスリを処方している者の言うことではないような、わたしも自信がなくなってきました(笑) |
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小学生の息子とのとある会話
「○○くんは、いつもさあひとの悪口いっていじめるんだよ」
「そうやって、ヒトのこと決めつけちゃだめじゃないか。おまえはいつもそうだ」
「ふん、パパだってそうやってボクのこと決めつけてるじゃん」
「そんなことは・・(そうだな、いわれてみればそのとおりだ)
うん、おまえもなかなかするどいことを言うなあ、ふむふむ」
(患者さんを最初のイメージで決めつけてしまう癖があるかもな・・・ぶつぶつ)
「どうしたの?いつものパパらしくないんじゃない?!」 |
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「最近のどが変で、セキが気になるんですけど」「それはもしかしたら
今飲んでる高血圧のクスリの副作用かもしれませんね」「えっそうなんですか?」
「全員じゃないですが、可能性はありますね。まず、咳止めも出しますが
血圧のクスリを、セキが少ない新しいものに変えてみましょう」「えっ、
じゃナンで最初からそのクスリを出してくれなかったんですか!!(怒*)」
「スイマセン、でも出るかどうかあらかじめわからないし、だいぶ安いし」
・・・次回診察の時・・・
「セキあんまり変わらないんで、クスリもとのに戻してください」「わかりました」 |
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事務がなにやら大声で電話しているようです 「どうしたのかな?」
「耳のすご〜く遠いかたなんですけど『具合が悪いのでいけません』というから
だったらなおさらきてくださいって伝えてるんですが、聞こえないのか、
一方的にいうなり切ってしまったんですよ」「それはムズカシイなあ」
こういう方にこそ携帯メールが役に立つと思うんですけどね
そのことを伝えることがまたムズカシイ |
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「先日後期健診うけてきまして、異常なしでした」「そうですかよかったですね」
「で、今日は胃カメラやっていただこうと思って」「いいですよ、じゃあ血圧測ってみますね
・・・・あれれ、すごく脈が遅いですよ」「そういえば最近めまいがしますけど」
・・・中略・・・
結局、この患者さんは「完全房室ブロック」という状態ですぐに大病院に紹介して
ペースメーカーが装着されました!(後期健診では貧血、心電図検査が省略されています)
みんなでウエストはかって一喜一憂している!と、外国でも笑われているんですけど
(今年からうちは特定(メタボ)健診の受付をやめました、短いですがこれがその理由です) |
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「きみんところは、患者さんに怒るから怖いって言うもっぱらの評判だぜ」
「そうか、それは残念だなあ。反省しないとね。確かにここに来た最初の頃は
若気の至りで、あれこれやかましくいって、何とかコントロールしようとしたけど
最近は、ゆっくり見守れるようになってきたような気がするよ」「そうかね」
「たとえて言うと、大リーグボール1号2号をへて、3号の感じかな」「なんじゃそりゃ」
まあ、わかるヒトにはわかると思いますけど・・わかんないかな、まいっか(この感じ) |
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老人ホームを回診するようになりました、いろんな方がいます
「大丈夫でしょうか?」「だいじょうぶ」「ああよかったわ」というヒトがいる一方
「いつ死にますかね」「まだ生きますか」と笑いながら毎回たずねる方も
私が言うのは決まって同じになってきました
「だいじょうぶ、か・み・さ・ま・の・い・う・と・お・り」ってね |
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「どうですか、施設に入って、元気にやっていますか?」「はい、でもねえ
ものわすれがひどいっていつも娘に怒られるんですよ・・」と90のKさん
「おこってもねえ、治るわけじゃないのにね、私はもう怒りませんけどね」
「ええ、せんせいはそういってくださるけど」「いいこと教えましょう」「はあ」
「怒られたことも忘れる域に達すればいいんですよ」「ガハハハハ」 |
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「先生、検査お願いします」「はあ、いいですよ。でもいつもは人間ドックうけてるんじゃないですか?」
「ええ、でも後期高齢者になったら、ドックをうけられなくなってしまったんですよ」
「・・・それは誤解があると思いますよ」「えっ」「<うけられない>じゃなくて
<補助が出ない>ということで、全部自費だったらうけられるでしょう」「そうでしょうか
でも、何とかお願いします」「ほんと、お役所仕事に現場は振り回されるんですよね・・」
官僚OBの後期高齢者は、さぞかし「高貴」な扱いを受けてわからないんでしょうねえ |
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「今回は血糖があがっていますねえ」「そうだすか、ずいぶんと気をつけているんだけどねえ」
「(常套句で)まあ、夏はついジュースなんかを飲みがちだったりしてね」
「いやあ、わたしはなるべくコーヒーとか缶ジュースは飲まないようにはしてるんだけど」
「文句つける訳じゃないですけど、『なるべく』ということは、けっこう普段はスキで飲んでる
という意味にもとれるんですよね」「まあ、んだがもしれねえすな」
本当に飲まない人は、思いつきもしないでしょうからね |
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「食欲がないということで、この間検査しましたが」「ええ」「まず大丈夫ですね
貧血もないし、栄養状態、肝臓なんかも正常でした」「そうですか、よかったわ」
「まあ、しいていえばコレステロールが少し引っかかりましたけど気にしなくていいです」
「えっ、だいじょうぶでしょうか?やっぱり、タマゴとか控えた方がいいですか?」
「ほらね、そうやって気にするから言いたくなかったんですけどね。食べられないって
いってるヒトに、こういうものを控えてくださいっていうのは、ナンセンスでしょう」
宣伝が効きすぎてコレステロール恐怖症のかたが増えているようです |
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「・・・・かくかくしかじか)とこう、いろいろ大変なんですよ。どうしたらいいんでしょう?」
「そうですか、それでイライラして眠れないというわけですね」「そうなんです」
「ただ、眠りというのは、”がんばってする”というものではないですよね」「??」
「ねむらなきゃ、とおもって眠れないのは当たり前で、そんなことをやめたときに
気がつくと寝ているわけですから」「じゃあ、どうすればいいんですか?」
「ですから、その”どうすれば・どうすれば”って正解を探すのをやめることですね」
「・・・・・それには、どうすればいいんでしょう?」「・・・・・」 |
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「おかわりないですか?」「はあ、腰が悪いのはまだなおんねえす」
「そうですか、まああんまり言いたくはないですけど、それだけ腰が曲がっていると
腰にかかる負担も大きいですからねえ。ちなみに杖は使ってますか?」「うんにゃ」
「どうして?まだ、そんなおばあちゃんじゃないっ、というところですか?」「・・・」
「だまされたと思って使ってみてください、けっこう楽になりますよ」「そうですかねえ」
いろんな保険にはいるくらいなら杖でも買った方がおすすめかも(また営業妨害か) |
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「せんせい、最近私どんどんやせてきたんですけど、何か悪い病気じゃないでしょうか?」
「食欲がないんですね」「ええ、夜も眠れないし、つかれやすいし・・・」
「でもね、こういっちゃなんですけど、3ヶ月前にご主人を亡くされたばかりでしょう?」「ええ」
「人生最大のストレス、っていうくらいで、あたりまえといってはなんですけど
それで、あなたどこかわるいんじゃないのっ?て言う人はいないと思いますけどね」
「・・・そうでしょうか」「まあ、ご心配でしょうから一通り検査はしてみますけどね」「お願いします」
「がんばらない」って本がありましたけど、みんながんばりすぎかも |
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「おばあちゃん、ひとりぐらしなんですけどなんだか具合がわるいっていうので
連れてきました、あついのにずっと草取りしてるからだと思うんですけど」
「あれ、1年前まではちゃんと通っていたのに、ひさしぶりですね」「・・・」
「ええ、病院いってるの?ってきいたら、もういってないっていうし、
ヒトに頼りたくないっていうから、なにも言わないできたんですけど。
でも、もし倒れたりしたら、わたしも困るし、と思って連れてきたんです」
「そうでしたか、なんだかさびしい話ですな・・・」
「ヒトに頼りたくない」も「何かあって頼られても困る」も、コインの表と裏ですね |
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「この間の血糖検査ですが・・」「ええ」「あがってますな」「そうですか?」
「何か心当たりはないですか?」「はあ、特に変わってないんですけど」
「夏あつくなると、わりにジュースなんかを飲むことが多くなりますが・・」
「いや、わたしはああゆう甘いものは飲まないです」「そうですか、
でも、以外とオロナ○ンCとかリポビ○ンDなんかにたくさん砂糖が入っているのは
知らない人が多いんですよね・・」「えっ、オロナミンもだめですか!」
「ほらね、飲んでるでしょう。ああゆうのは飲み口がいいように甘くしてるし
入ってる砂糖の量もハンパじゃないんですけどねえ」
「毎日カラダのためにヤクルトと牛乳を飲んでいます」というヒトも
・・・あんまりゆうと営業妨害になるのでこれくらいにしておきますか |
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看護婦といつもの患者さんとのやりとり
「カワリナイデスネ?」「・・・はっ?」「オカワリナイデスカ?」「・・・へっ?」
「ダガラ、グワイワルグナイガッテ?」「・・・なぬっ?、聞こえねえな」
「か・わ・り・な・い・で・す・かっ・てきいてるんですよ」「ああ、なんもかわんね」
秋田弁はききとりずらいといわれますが、口をあまり大きく開かないのと
わりと早口なのが一因かもしれません
耳の遠い人にも、ゆっくりはなせば大声出さなくても意外と通じるものです |
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「耳が遠くなってしまって」「おばあちゃん足くまないの!」と娘さん(いいですよ)
「物忘れがひどくてねえ」「おばあちゃん肘つかないで!」(いいんですよ)
「まだこうして生きてるんですよ・・」「さあ、先生忙しんだから余計なこと言わないのっ!」
「まあ、せっかくきたんだから気が済むまで話していいんですよ
年取るのは別に『悪い』ことじゃないですよ、『悪い』っていう人がいるだけです」
面接しているわけでもないし、あるがままのあなたでいてくださいd(^-^)ネ! |
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「せんせい、草取りしたせいかカゼを引いてしまいました」「ええ、どんな感じですか?」
「鼻水がじゅるじゅるで、のどが痛くて寒気がするんですよ」「そうですか」
「それで、わたしあしたから三日ほど旅行に行くんですよ」「それはしんどいですな」
「なので、注射で一発で治してくださいな」「それは無理でしょう・・・」
「あと、眠くなるクスリは出さないでください」「すると、ききめは弱くなりますけど・・」
「ということで、はやめにおねがいしますね」「・・・」
まあ、そんだけ元気そうなら大丈夫でしょうけどね |
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「この間の結果ですが、やはり糖尿病と高コレステロールがありますね」
「そうですか、どうしましょう!」「まあ、そんなに重症でもないので
まずは食餌療法と運動ですね。これからご説明しますから・・・」
「でもいいニュースもありますよ」「なんでしょう?」
「きちんとやれば食費とガソリン代を節約できますからね!」「まあねえ・・・」 |
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「おぐあいはどうですか、かわりありませんか?」
「そうですねえ、からだのほうは、なんともないです、が・・・」「が?」
「う〜ん、だいじょうぶじゃないですかねえ、たぶん、でもねえ・・・」「でも?」
「まあねえ・・・、えっへっへ」「えっへっへって、なんかあるんですか?」「いや」
単刀直入にいかないのはわかりますが、あんまりもったいつけられても、ねえ・・・うっふっふ |
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