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院長のエッセイ


 ふるさとへの投資

 大館にUターンして1年半になります。以前はつくば市にいました。
つくば市は計画都市で道路が整備され、公園が充実していて、そのすべてが遊歩道で結ばれています。
お年寄りに優しい町は子供にも優しい町です。いま全国で拡大している郊外型の施設は、
自動車を使えるひとのみに便利だということは自明の理となり、早晩行き詰まります。

 しかし中心市街地と言われたかつての商店街は、空き店舗が増えて、その活性化が
どこの街でも課題としてあげられています。

 そこで提案です。まず商店街の中心に子供が冬でも遊べる屋内遊園地(もしくは冒険遊び場のできる
公園)を作ります。そこには正規の託児所があり買い物客以外でも仕事の行き帰りに立ち寄れます。
無論、買い物を済ますこともできます。

 そこにはいつもボランティアのお年寄りがいらして、孫をみるように見守っていてくれます。
そして、子供たちに遊びを教えたり、昔話を聞かせたりしてくれます。同じ場所に健康・療養・診療所などの
福祉施設があれば最高です。そこにはバスも往来するでしょう。

 「女性の社会進出・子育て環境の充実・高齢者の生き甲斐創出・健康増進・商店街の活性化・
文化の継承・市民の交流・公共交通の有効利用」、価値は無限で弊害は皆無です。
できない理由をあげるのはもうやめましょう。できる道を探して実現しましょう。

 すくなくとも私は必ず実現します。自分はこのまちで育ちこのまちに骨を埋めたいから。
このまちが自分のたったひとつで最高のふるさとだから。ふるさとに投資することほど意義のあることはない。
私は大館の価値を信じています。
(平成12年 北鹿新聞投書に加筆修正)

 追記:このような施設は「北部エリア」としてすでに存在していますが、残念ながらやはり「郊外」にあり
日常的に利用できるものではありません。歩いていける、街の中心にあることにこそその意義があると考えます。



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