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院長のエッセイ


 子供と遊び(冒険遊び場を作ろう!)

 「子供を遊ばせる場所が欲しい」そんな声をよく聞きます。確かに、地元には公園やきれいな遊具の整った福祉施設、
屋内体育館もある。しかし、何か足りない。

今の子供たちに指摘される問題点。「他人とうまく付き合えない」「自分勝手」「イジメ」そして「学級崩壊」。
いったい何が原因なのか?その一つが、子供たちが「遊んでいないから」だと思います。遊びは、子供にとって生きる力の源であり、
健全な発達に必要不可欠な活動です。遊ぶことで、想像力、情緒、認識力、体力の発達を促し、社会性を育てます。
今の子供には、ゲーム友達はいても「集団遊び」をする友達や、地域の大人たちと接する機会がないのです。

 実体験に裏付けされた確かな知識や生きるための基本的な知恵が不足しています。田舎ですら身近な自然環境が
少なくなり、自然との共存や生き物への愛着を育むことが難しくなっています。大人が作ってきた消費社会は、子供の遊びさえも、
お金で買える安易なもの、空虚な時間つぶしの道具へと変化させてしまいました。

 子供が学校や公園でケガをしたり迷惑をかけたとき、大人は当事者責任よりも管理者責任を追及し、子供の自由な空間を
せばめています。公園で一人が事故を起こせば危険な遊具としてすべて撤去されてしまいます。

 子供が生き生きと目を輝かせるような遊び場は、自然がありちょっと危険で、仲間と創造的に遊びを展開していける、
そんな空間です。私は、大人の責任を痛感し、子供たちに屋外での自由で自己責任で遊ぶことのできる「冒険遊び場」を
取り戻すことをめざします。「遊びを通して子供も大人も生き生きと生活し成長できる場をつくろう」というまちづくり企画です。
ヨーロッパに始まり日本でも世田谷から全国に広がりつつあるこの活動を、大館にも展開したいと考えます。

 


「おおだて冒険遊び場 H15.8.10」

私は以前から、大館の地でぜひ「冒険遊び場」を実現したいと思っていました。教育に関しては、親・教師・学校・地域、
それぞれに関して問題点・解決法が議論され、出尽くした感があります。これからは、何かを実行し、その効果を検証する段階です。

 失われつつある、自由で、危険で、年齢を超えた、創意あふれた遊びを通じて、たくましく、素直で、他人を思いやれる子どもが
育つのだと思います。そして、そうした遊び場を通じて地元の人との交流ができ、そこを愛するようになってほしいと思います。

冒険遊び場は子供たちの成長を願う人々を結ぶコミュニティーです。広く参加する仲間を募り、既存の団体と協力し、
遊びを通してまちの活性化を図ることもできます。子育てをする母親たちの交流を深め、支援することもできます。
しかも、それが大きな建物を作ったり、お金をかけたりしなくても実現できるのです!明るく子供たちが遊ぶ姿は、
高齢者を始めとした市民に希望と生きる力を与えてくれる原動力になるでしょう。



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