お気軽クリニック目次
お気軽クリニック


 元気に長生きしたい!

 農繁期や冬になると、肩・腰の痛みや疲れを訴えて病院に来られる方が増えます。鎮痛剤の処方や
注射を希望されるかたも多いようですが、それらはあくまで対症療法です。痛みに目をつぶっているだけで
原因が消えたわけではないので、よけい無理をしてしまうということにもなりかねません。

 まわりにある温泉に通うのも非常によいことですが、意外と敬遠している患者さんが多いようです。
温泉通いをしている方は病院いらずなのかもしれません。さらに痛みや怪我の予防策として農作業や
雪かきの前後にはストレッチ(柔軟体操)をしましょう。体を温めてから、ゆっくりと筋肉(すじ)をのばします。
意識して行えば労働も運動に変えることができます。
子供の頃教えられたラジオ体操も、大人が続けないのはやはりおかしなことです。

 骨粗鬆症(スカスカ骨)は、転倒から骨折をきたして寝たきりの第一歩になります。
転倒防止には、住宅や町の整備も必要ですが、もっと簡単で効果が上がるのは、自らの筋力・柔軟性・
平衡感覚を高めて、転びにくい体になることです。あたりまえのようですが、歩行するスピードは
高齢者の自立能力をよく反映し、速く歩ける人ほど元気で長生きができるとされます。
ですからふだんからのウオーキングが大切です。田舎は散歩コースが豊富ですが、自動車に頼る分、
都会人より歩かない人も多いのです。

 さらには筋肉を鍛える運動も必要です。いまさら・・・と思いがちですが、腰や膝の痛みの予防や改善にも
有効です。これからは筋肉トレーニングでからだの抵抗力を高めて、病気を減らし医療費も減らそうという
方向に向かっています。

 そこで忘れてならないのは十分な水分補給です。歳をとるに従い、のどの渇きにまかせて飲んでいるだけでは、
体が必要としている量よりも不足しがちになります。秋田県人は塩分摂取が多く、脱水になりやすいので、
意識して水分を摂りましょう。脱水は血液の循環を悪くして脳梗塞の一因にもなります。どろどろ血の解消
のためにも、水は薬より安くて有効です。頻繁に少しずつ補給する習慣をつけましょう。まず一日2リットルが
目標です。

 元気に長生き、がやはり一番です。高齢者のうち痴呆・介護が問題となるのは実際その2割です。
弱者という片寄ったイメージを払拭すべくアピールしていきましょう。人生の先輩としての誇りを持ち、
後輩に範を示すという、本来の高齢化社会を招来しようではありませんか。
(北鹿新聞「お茶の間クリニック」)




トップへ



前へ

次へ