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 上手に病院にかかるこつは?

 さあ、あなたの病気は何でしょう。毎日飲んでいるのは何の薬ですか。尋ねられてすぐに答えられますか?
「なんだかわかんないけど先生の言うとおりに飲んでいる」でいいでしょうか。また、せっかく健診を受けても
「要精査、要治療」と書かれたものをしまい込んで「何も異常なかった」という方も多いのです。
健診は結果を適切に評価してはじめて意味があります。わからなければとりあえず医師に見せて、
説明してもらいましょう。

 また、健診や病院を初めて受診したときには、病歴をきかれます。これまでどんな病気をしたか。
薬のアレルギーはないか。家族に遺伝病の人はいないか。輸血歴はないか、などです。健診のたび、
病院を変えるたびに振り出しに戻って、うんざりしたことはありませんか。年とともに記憶が曖昧になったり、
忘れたりすることも多くなります。それが薬剤アレルギーの情報では命に関わるかもしれません。

 そこで自分の健康情報をまとめた「マイ・カルテ」を持つことは非常に大事です。病気、治療の内容を知る
ことは医療側だけでなく、本人に最も有益です。既往歴・現病歴・血液型などの記録は、万が一救急車で
運ばれたときにも威力を発揮します。自らを守るだけでなく、時間の節約、ひいては医療の無駄を減らせます。

 特に高血圧・糖尿病などのいわゆる生活習慣病の場合、治療の主人公は本人です。医師に血糖値や
血圧の推移を見せることができれば優等生です。白衣高血圧でないかを知るためにも自宅での血圧測定
は役立ちます。さらに遺伝・高脂血症・高血圧・糖尿病・肥満・喫煙など、動脈硬化の危険因子(多いほ
どあたりやすい)をどれだけ持つのかを知ることは、それらをいかに減らしていくかを考えるきっかけになります。

 処方薬の一覧も貼ります。あちこちで薬をもらっているときは、それらの「飲み合わせ」が非常に危険なこと
があります。糖尿病や癌、むくみなど、無症状でも体重変化として現れる病気があるので、体重も大事な
記録です。風疹やBCGなど予防接種の記録は、子どもの将来に役立ちます。また、家系に悪性疾患の方
がいれば、自分も中年以降はそれらを重点的に検査する必要があります。

 形式にはこだわりません、健康手帳にまとめるので結構です。
自分の情報をいかに掌握しているかが大事で、「かかりつけ医」の重要さもここにあります。
「自分のからだは自分が一番よく知っている」と名実ともに言えるようになりましょう。
(北鹿新聞「お茶の間クリニック」)




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