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 「自律神経失調症」と言われました

 なんとなくからだが"やむ"(だるい)、あたまが重い、食欲がない、眠れない、こんな症状は誰でも
経験したことがあるでしょう。一時的で原因がはっきりしているものなら問題ありません。しかし、こうした症状が
続けば生活にさしつかえます。思い当たる原因がなく、検査しても異常がない場合、自律神経失調症の
可能性があります。よく耳にする言葉ですが、一般の理解はまだ浅いようです。定義があいまいで検査で
診断しにくいこともあり、誤解されやすい言葉です。

 自律神経には交感神経と副交感神経があり、心臓の拍動などいつも意識しないで行っている内臓の
働きを調節します。意識してコントロールできませんが、外界や感情などからくるストレスに影響されます。
寒さや暑さ、仕事、将来や健康への不安、人づきあいや不規則な生活など、いろいろなストレスに
さらされているうちに不安定になり、それを処理しきれなくなってくると失調症となります。自分で気づくことも
ありますが、無意識に押さえ込んでいて気づかないことも多いのです。

 自律神経失調症にはいくつかの種類があり、女性に多く、更年期障害もその一部と考えられます。
症状は、どうき、のどのつかえ感、めまい、頭痛、肩こり、のぼせ、冷え、あせが多い、無気力など、
人により様々ですから、あちこちの病院を転々とされる方も多いようです。

 治療には対症療法の他、抗不安薬(いわゆる安定剤)、抗うつ薬、自律神経調節薬、漢方薬など
があります。自らの「気づき」とライフスタイルの見つめ直しが必要です。気づくことが解決への第一歩です。
大事なのは、特定の病気がひそんでないか除外すること、治療には時間がかかるので、効かないからと
薬を中止したり、すぐ病院を変えたりしないこと、自分で治そうという意志を持つことです。なかにはうつ病や
神経症など専門の治療が必要な場合もあります。ひとりで抱え込まずに医師に気軽に相談してください。
(北鹿新聞「お茶の間クリニック」)




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