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 子供がジュースばかり飲んでいます

子供たちの食生活に関して、肥満と今後の生活習慣病の予防という点から、
特にジュース類(精製されたショ糖のはいったもの)に関しての問題点を挙げて
みます。

 子供たちが好きなスナック・砂糖入りジュース・ジャンクフード(いわゆる
ファーストフードやコンビニ弁当のたぐい)などはいずれもカロリーのみが高く、
その割に栄養素やビタミン(B1)が極度に不足しています。これらを毎日、
過剰に摂取することは、脂肪の蓄積から肥満をきたし、栄養の空回りとビタミン不足
からイライラなどいわゆるキレル子供を作る一因となります。さらには低血糖と
高血糖の繰り返しから、同じような食品に依存する体質を作るのです。
また食物繊維の不足、脂肪酸の摂取のバランスの崩れは、アトピーなどの
アレルギーの原因ともなりえます。

 もちろん、すべてをこれで説明しうるとは思いませんが、遺伝や体質だけでは
説明できない、様々な疾患の急速な増加はやはり食生活の変化に負うところが
多いというのは真実のようです。

 日本は世界一長寿といわれ、明治や大正の高齢者は非常に頑丈な方が多い
のですが、現在の私を含めた層から若年は、その食生活を見る限り、非常に
生命力や免疫力などで劣ってきているようにも感じます。生活習慣病の予防(教育)
はやはり早い程良いと思います。栄養学から一歩つっこんで、望ましい食事と
その理由を知らせることは必要と思います。それは決してダイエットという目的では
ありません。食事を改めて、体重が減ればなお結構ですが、それが目的ではない
という考えです。

「親のしつけだから」と、突き放すのはよくないと思います。将来、生活習慣病と
いわれて自己責任を問われたときに、そんなこと今まで誰も教えてくれなかった、
というのではひどいと思います。怪しげな健康情報・ダイエット情報が跋扈し、
その根拠を確かめる力もないし方法も知らないまま振り回されて、最悪の場合
命を落とす人もいます。いくら説明しても生活を改められない多くの大人たちを
見るにつけ、やはり学童からの健康教育の重要性を実感する毎日です。
(小学校養護教諭への手紙)




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