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 いつもだるくて疲れがとれません

 だるい、疲れやすいという漠然とした感じは、日常よく経験することです。過労や激しい肉体労働、
寝不足などが原因であれば休養することで回復します。ただし、慢性的に疲労感を感じる場合は、
生活習慣が原因だったり、病気が潜んでいることがあります。

●タバコ:一服すると疲れがとれるように感じるかもしれませんが、タバコ一本吸うとレモン半個分の
ビタミンCを消費すると言われます。ビタミンCは疲労回復物質ですから摂取が不十分だと疲労がたまる
一因になります。女性では肌荒れの原因になります。

●飲酒:肝臓は言ってみれば身体のバッテリーです。アルコールの解毒にかかりきりになる分、スタミナが
出せません。さらに、肝機能が悪くなれば筋肉中・血中の乳酸値が下がりにくくなります。つまり、疲れが
いつまでもからだから消えていない状態になり、これが全身の疲労感をもたらします。アルコール濃度が
高くなると心臓の筋肉の再生を押さえるとも言われ、心臓の力さえ落としてしまいます。

●過度の砂糖:砂糖は分解の際にビタミンB1を消費します。B1はエネルギーの生成に関与しており、
不足すると心身のエネルギー低下からストレスへの抵抗力が落ちます。また脳内の不安を高める乳酸が
増加し、感情を鎮静させるGABA(ギャバ)の生産が低下するともいわれます。砂糖を多く含む菓子や
ジュースをとりすぎると、疲れやすく心身不安定になるといわれるゆえんです。

●カフェイン:コーヒーなどは覚醒作用があり疲労感を改善するものですが、これも過剰に摂取
(3〜4杯以上)すると悪影響が出始めます。神経過敏、動悸、胃腸症状、頻尿、不眠などです。
スタミナドリンクもそうですが、疲労をとるのでなく「疲労感を麻痺させている」もので、一時的な高揚を
得ますが休養しなければ疲れたからだにむち打っていることになり、あとで反動がきます。

●ダイエット・偏食・過食:無理なダイエットはカロリー不足とともにからだに必要な様々なビタミンが不足する
結果、疲れやすい体質になります。カップ麺やコンビニ弁当を常食し、サプリだけで不足分を補充できると
考えるのも危険です。やはり地元の旬の新鮮な食材を丸ごとからだに取り入れるのが理想です。一方、
食べ過ぎでもだるくなります。満腹のあとしんどくなって休みたくなりますが、消化という働きは身体にとって
大変なエネルギーを要するのです。食べないと元気が出ないと思いこんでいる方も多いですが、腹八分で
胃腸を休ませてあげましょう。

●運動不足:運動すれば疲れると思うので逆説的ですが、定期的な運動は心肺機能を高め、ストレスの
発散にもなります。筋肉も廃用性萎縮といって使わなければどんどん弱くなります。疲労感からますます
運動意欲を失い、ちょっとした動きでしんどいからますます運動しなくなるという悪循環に陥ります。

●うつ病:蓄積する疲労の原因はストレスや精神的な要因が最も多いと言われます。特に朝に気力が
わかない、気が滅入る、なにをしても興味がわかない、眠れない、食欲がないなどの症状がある場合は
軽いうつ病が疑われます。

休養しても回復しない慢性疲労の原因になりうる病気は他にも多くあります。低血圧、糖尿病、貧血、
ホルモン異常(甲状腺)、肝臓病、腎臓病、感染症、悪性腫瘍、膠原病(リウマチなど)、
自律神経失調症などです。薬の副作用の可能性もあり得ます。微熱、首のリンパ節の腫れ、頭痛、
集中力低下など多彩な症状を伴った「慢性疲労症候群」という疾患もあります。

 いつもと違うだるさや疲れやすさは要注意です。痛みや発熱と同様、からだが発している警告の一つ
ですから、原因を見極めて、しっかり改善・休養し、心配であれば病院で精査してみましょう。
(北鹿新聞:お茶の間クリニック)




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