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院長のエッセイ


 まちづくりは検索エンジン

 からだには自分と違う細菌などを認識して排除する免疫というシステムがありますが、
これをつかさどるタンパク質は無数の外敵をどうやって認識するのでしょうか?
簡単に言ってしまえばそれは、あらかじめ無数のパターンを用意してあって、
その中から該当するものが選び出されてくるというものです。

 脳にも想像を絶する潜在能力があり、すべての答えはほとんど用意されているという説があります。
「それに耳を澄ます」あるいは「適切な質問を用意する」ことができれば、いつかおのずと答えは見つかるというもの。
非常に楽天的で魅力的な考え方ですが、免疫の仕組みを知ると、あながちウソでもないのかな
という気もしてきます(もちろん事前にある程度の入力は必要ですけど)。

 「まちづくりもこれと同じではないのかな?」ふとそう思いました。

 まちは永い歴史と人々の想い・努力・つながりで延々と築きあげられてきたものです。
一見それは魅力無く、衰退しつつあるように見えるかもしれない。でもそれは「知らないだけ」。
あたらしい魅力を作り出すなどとは、おこがましく、それを発見してつなぎ合わせる、ネットで言えば
「いい検索エンジンで適切なキーワードを入力する」作業の様な気がします。

 青年会議所のような「まちづくり団体」の使命とはこのひとつの「いい検索エンジンになること」、
とも言えるのではないでしょうか?そのためには足と頭を使ってのデータの収集と学習、
そのデータの蓄積と伝承、そういった作業が不可欠になるのは言うまでもありません。
でも、これって大いなる宝探しの楽しい旅ですよね?
(大館青年会議所広報誌コラム)



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