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院長のエッセイ


 インフルエンザと宇宙戦争

インフルエンザの季節になりました。今シーズンは鳥インフルエンザの発生が加わって、
さらに不安が増しているようです。いろいろな情報がありますが、要はヒトからヒトへの感染を起こすタイプへの
変異があった場合、かつてのスペイン風邪のような世界的な大流行を引き起こす可能性が高いという点です。
そのせいか予防接種に対する意識も高いですし、特効薬とされるタミフルをめぐって、
さまざまな議論も発生しています。

先日、スピルバーグ監督がトム・クルーズと組んだ「宇宙戦争(War of the World)」を観ました。
H.G.ウェルズの原作のリメイクで、ストーリーも有名でしょうか。結局、異星人?から人類の滅亡を救ったのは、
近代兵器でも特攻でもなくバクテリア(あるいはウイルス)であった、という物語。
インフルエンザの脅威を前に現代人が感じているジレンマを解き明かすと、これと近い所に落ち着きそうです。

心臓の筋肉も再生しようかという現代医学、弾道ミサイルすら迎撃しようかという最新防衛システム、
そういったもので守られているかに見える自身の健康も、風邪のまえにはいたって古風で
「ワクチン接種をして、あとはうがいと手洗いを」を繰り返しているのですから。

むろん、科学技術などが無意味だといっているのではありません。ただ、もともと人の体は、折れた骨や、
切れた神経すらも自らの力だけで修復する力を持っていることを忘れてはならないと思うのです。
最近はアキレス腱断裂も手術しない方がきれいに直るという話を外科医に聞きました。
イギリスではエイズの自然治癒例が報告されています。

そういえば、象徴的なワンシーン。手に刺さったとげを無理に抜いてあげようとする父親に
「自然にからだが押し出してくれるわ」という娘。地球に押し出されないよう、人間も自然なあり方を
もう一度思い出す頃合いでしょうか?みなさんも身体の「自己治癒力」に磨きをかけようではありませんか?
(大館青年会議所あゆみ)



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