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院長のエッセイ


 お笑い健康法

昔から「笑う門には福来たる」といいますが、笑いが健康にとても良いことをご存じですか。
もはや古典といえる「笑いと治癒力」のなかで著者ノーマンは難病と宣告されたのを機に、
自力で治療法を探し考案します。簡単に言えば笑いに注目した彼は愉快な映画や本を集め、
笑い続けることでついには治してしまったのです。

医学的にも漫才を聞くなど大笑いした前後で、血圧が下がった、血糖が下がった、リウマチの痛みが和らいだ、
果てはガンにも効いたという報告がされています。
その意味で落語家や漫才師、お笑い芸人は国民の健康増進に寄与しているのかもしれませんね。

怒りや負のストレスでステロイドというホルモンが出て、長期間続くと身体に無理がかかりますが、
反対に笑いはホルモンや自律神経に働いて、免疫能すら改善するようです。

パッチアダムスという医者が先駆者となった、ピエロの格好で小児病棟の子どもたちを励ます
クリニカルクラウン(病院道化師)は映画やテレビで知られるようになりましたがまだ異端です。
それにひきかえ、病気を宣伝したり余命を宣言したりして患者さんを怯えさせている医者ときたら・・。
ですから多少つまらなくても、小咄で皆さん大いに笑ってくださいね。

<心配してもきりがない>
「眠れないのでまた睡眠薬欲しいんですけど、飲んだらボケるんじゃないでしょうか?」
「どうですかね、ご心配なら飲まない方が良いでしょう」「そうですか・・」
「でも眠れないのも心配なんでしょう」「そうなんです、どうしたらいいでしょう?」
「実はボクも相談があるんです。家に帰るまでに車にひかれたらどうしようって心配で。
帰らないでずっとここにいた方が良いですかね?」
「まあ先生ったら、アハハハ」「ほらね、ばからしいでしょう」
くよくよ考えるより、そうやって笑っていればボケませんよ

<物忘れ予防法?>
「ゴメンナサイ、お借りしてるあの本、持ってくるのまた忘れちゃったわ」
「いいんですよ、そのうちで」「ほんと、忘れっぽくて困るわ」
「ちなみに、なんという本でしたっけ?」
「ええと、確か『ボケを予防する28の方法』とかいう本でしたわ」「(笑)」
その方法はあまり効かないという実証でしょうか

<健忘の達人>
「どうですか、施設に入って、元気にやっていますか?」
「はい、でもねえ物忘れがひどいっていつも娘に怒られるんですよ」
「怒っても治るわけじゃないのにね、私はもう怒りませんけどね」
「ええ、先生はそういってくださるけど」「いいこと教えましょう」「はあ」
「怒られたことも忘れる域に達すればいいんですよっ!」「ワッハッハ」
認知症でも幼子のように澄み切った瞳のご老人にあうと、うらやましくなることさえあります



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