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 くすりに関するQ&A

■血圧の薬とグレープフルーツジュースを一緒に飲んではいけないと言いますが?
これは、高血圧のお薬の中でも「カルシウム拮抗薬」という種類(すべてではありません)を内服している方に
関係します。グレープフルーツやその加工食品を一緒に取ると、薬の作用が強く出て血圧が下がりすぎる
可能性があるというものです。これ以外の薬では関係ありませんし、グレープフルーツ自体にも血圧を下げる
作用があります。この薬を飲んでいるかた以外で血圧が高めの方には、むしろ好ましい作用とも考えられます。

■心臓の薬を飲んでいる人は納豆を食べてはいけないと言いますが?
心房細動などの不整脈があり、心臓の中に血栓があったり、血栓予防のために「ワーファリン」という薬を
飲んでいる場合に、納豆やクロレラなどを食べるとワーファリンの作用が減弱します。定期的に血液検査を
して内服量を調節するほど、さじ加減が大事な薬ですので、このような食品を食べないでということです。
これもおもしろいことに、納豆自体には血栓の予防効果があります。

■「食後に飲む薬」は食べないときは飲まない方がいいですか?
「朝一回」の内服の場合、個人で生活のパターンが異なるため「朝6時に飲んで」とは決められません。
そこで朝食後と指定すればわかりやすいという事情もあります。降圧薬などは毎日定時で飲むことが
望ましいので、食事がずれたり、抜いたときもキチンと飲むようにしましょう。ただし鎮痛剤など胃に負担になる
ので空腹を避けることが望ましい薬や、糖尿病薬など食事なしには飲まない方がよい薬、逆に食後では
吸収が悪くなる薬、制酸剤と飲むと効果が落ちる抗生物質など、さまざまですので個別に確認が必要です。

■血圧を測って高くないときには薬を飲まなくても良いでしょうか?
血圧は、日内変動といって一日の中でも変動します。朝方高い人が多いのですが、夕方上昇する人も
います。何ヶ月か血圧を測って、高血圧と診断された方が薬を飲むわけですから、たまに低いからと言って
自己判断で中止するのは危険です。薬は急に中止すると、かえって血圧が上がることもあります。
最近の薬は一日一回の内服で翌朝まで効果が持続するものも多いのです。患者さんが低いと感じる
レベルと、医学的に適正な血圧は、食い違っていることもあります。家庭で血圧をはかってみて、
低いことが続いたり、ふらつきやめまいがあるときには、主治医に相談しましょう。

■「高血圧の薬は、一回飲み始めたら一生やめられない」といいますが?
まるで麻薬に手を染めるかのような表現ですね。薬は飲まないに越したことはないのは確かです。
薬を飲んでいると病人のレッテルを貼られていやだという気持ちもあるでしょう。でも、いったい何のために
薬を飲むのでしょう、高血圧でも薬を飲んでいない人は健康といえるのでしょうか?
もちろん、食事を見直したり運動したりと生活習慣を改めることで減量し、血圧が下がって薬をやめられる
人もいます。高血圧にも卒業はあるしそれが理想ですが、困難な道です。

 数粒の薬を飲んで動脈硬化性疾患や、その後の制限された生活を回避できると思えば良いのでは
ないでしょうか?私はよく「保険にはいると思ってください」と説明します。入院保険やガン保険はかけたから
病気にならないわけではありませんが、この「保健」は病気を予防でき、決して掛け捨てにはなりません。
 日本人の高血圧の半分は放置され、治療中の患者さんの半分しか治療目標に達していないとも
言われます。若い頃から血圧が高いほど合併症のリスクは高まります。脳梗塞は決して減っていません。
人の安易な中傷に惑わされずに、自分の健康を管理したいものです。

 いずれにしても自分の薬をしっかり把握し疑問点は医師や薬剤師に確認して、決して自己判断で
中止しないことが肝要です。




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